2013 Fiscal Year Research-status Report
触覚・聴覚反応に基づく視覚障害者へのリアルタイム適応型情報保障支援システムの開発
Project/Area Number |
25560284
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
精山 明敏 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70206605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮内 哲 独立行政法人情報通信研究機構, その他部局等, 研究員 (80190734)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 近赤外分光法 / ヒューマンパフォーマンスモデル / 触覚機能 / 客観的計測 / 主観的計測 / マグニチュード推定法 |
Research Abstract |
平成25年度研究では、視覚・聴覚系バイオフィードバックシステムを開発するに至ったヒューマンパフォーマンスモデルの構築のための基礎実験システム(マルチモダル機能的近赤外分光法システム:皮膚血流、脳波、脈波の同時計測システム計測)を、触覚・聴覚系のヒューマンパフォーマンスモデルの構築に用いて、健常人およびその擬似盲を対象とし、ヒトの情報処理過程を「知覚システム」、「認知システム」、「運動システム」の3つの機能に分けて測定し、ヒトの思考・理解・納得のプロセスを分析し、行動の定量的予測を行った。さらに、この客観的計測結果と触覚および聴覚刺激に対する嗜好性の数値的評価スケール(NRS)による11 段階評価の結果から、触覚・聴覚系における感覚・身体イメージの規格化を目指した。 今年度の実験では、空間周波数(波長)の異なる2種類のアクリル板とそれと同じ空間周波数の擬似触覚を提示できるように工夫したタッチパネル(S, Saga and K, Deguchi. Lateral-force-based 2.5-dimensional tactile display for touch screen. In Proceedings of IEEE Haptics Symposium 2012, pp.15-22, 2012)を用いたなぞり実験を行った。 客観的データ取得の測定では、1.健常ボランティア8人(男性3名、女性5名)の協力を得て測定し、機能的近赤外分光法システムにより測定された脳血流変化に、皮膚血流の変化が重畳していないかレーザー組織血流計の信号との相関分析を行い、影響がないことを確認した。2.擬似盲の実験では、アイマスクを健常被験者にかけてもらい同様の実験を行った。 主観的感覚値のデータ取得にはマグニチュード推定方を用いて、個人個人の感覚閾値の差を規格化した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は健常ボランティアとそのアイマスクによる擬似盲実験の特に問題はなく実験そのものは問題なく行えたと考えている。ただ、被験者のリクルートに関し、予定では20名程度を今年度予定していたがその半分程度になった。この理由のひとつに、実験初期に開眼実験のときの眼球運動の制御がうまくできていないこと、右手指先によるなぞり実験のときに、左手の運動の制御がうまくできていないことが考えられるデータが得られたために、実験系を再吟味し、再度実験をやり直した点が挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)まず、今年度の実験を被験者が当初予定の20名程度になるまで行い、グループ解析を行う。 (2)今年度成果として、触覚機能が視覚機能を惹起する反応が得られているがそれが事実かどうか、機能的磁気共鳴撮像装置を用いて検討する。 以上は、平成25年度研究に基づく追加実験及び新たに得られた研究成果に対する追加実験であるが、 (3)上記に加えて、当初予定の平成26年度研究計画を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の遂行上、機能的近赤外分光法による脳活動測定の確認(特に、触覚機能による視覚機能の賦活の有無の確認)のため、機能的磁気共鳴撮像装置(fMRI)の測定による脳活動の検出が必要となり、情報通信研究機構の宮内哲主任研究員を分担研究者として加えた。この手続きが完了したのが9月で、分担研究費と共同研究による旅費の執行額が当初より半分以下に減ったため。 fMRI測定のための実験デザインの確立も終わり、今年度は主として4月より上記目的のために繰越た研究費を使用する。そのほか、論文の投稿・掲載費および成果発表のための旅費、参加費に使用予定である。
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Research Products
(4 results)