2014 Fiscal Year Research-status Report
触覚・聴覚反応に基づく視覚障害者へのリアルタイム適応型情報保障支援システムの開発
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25560284
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
精山 明敏 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70206605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮内 哲 独立行政法人情報通信研究機構, その他部局等, 研究員 (80190734)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ヒューマンパフォーマンスモデル / 触覚機能 / 視覚機能 / 客観的評価法 / fMRI / 近赤外分光法 / 主観的評価法 / マグニチュード推定法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究提案では、触覚・聴覚系のヒューマンパフォーマンスモデルを構築し、触角・聴覚反応に基づく視覚障害者へのリアルタイム適応型情報保障支援システムの開発を目指している。このため、(1)健常人およびその擬似盲、さらに、全盲者を対象とし、ヒトの情報処理過程を「知覚システム」、「認知システム」、「運動システム」の3つの機能に分けて測定し、ヒトの思考・理解・納得のプロセスを分析し、行動の定量的予測を行うこと、さらに、(2)この客観的計測結果と触覚および聴覚刺激に対する嗜好性の数値的評価スケール(マグニチュード推定法)による 11 段階評価の結果から、触覚・聴覚系における感覚・身体イメージの規格化を行うことを目指した。 平成26年度は、(1)昨年度のNIRS測定で得られた脳賦活測定結果を機能的MRIを用いて検証した。また、被験者数を統計学的に充分な信頼が得られる20名まで増やして検討した。さらに、(2)健常被験者とその擬似盲の脳賦活状態を検討することにより、以下の2点を検証することを目的とした。 a) 触覚刺激に視覚情報がともなった場合の脳賦活への影響 b) 触覚刺激の周波数による脳賦活への影響
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初研究計画では平成26度研究で、NIRSを用いて、全盲被験者の協力を得て触覚刺激による脳賦活状態を測定し、健常被験者やその擬似盲の脳の賦活状態と比較検討する予定であった。しかし、平成25年度研究結果で予想をうわまわる視覚機能と触覚機能のクロスモダル現象がみられたため、その追試実験も今年度はより実験条件を厳格にして行った。結果としては、平成25年度の結果の正しさを証明できたが、この実験の計画と実行に3ヶ月間を有し、年度計画に少し遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は全盲被験者の協力を得て、NIRSを用いて触覚刺激による脳賦活状態を測定し、全盲者の情報処理過程を「知覚システム」、「認知システム」、「運動システム」の3つの機能に分けて、その思考・理解・納得のプロセスを分析し、行動の定量的予測を行。さらに、この客観的計測結果と触覚および聴覚刺激に対する嗜好性の数値的11 段階評価(マグニチュード推定法)の結果から、触覚・聴覚系における感覚・身体イメージの規格化を行い、触覚・聴覚反応に基づく視覚障害者へのリアルタイム適応型情報保障支援システム開発の基盤作りを行う。
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Causes of Carryover |
今年度は平成25年度の実験と同じ課題で被験者数を増やしてデータの安定を検証すること、また、実験条件のより厳格化を測って結果の再現性をみた。このため当初予定した全盲者対照実験のための新規の物品への投資を平成27年度に先送りしたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
全盲者計測用のNIRSプローブ、アルコール類などの試薬品費、成果報告(旅費等)、論文の英文校正費、掲載費などが、平成27年度の主要な支出になる。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] fMRI evidence of improved visual function in patients with progressive retinitis pigmentosa by eye-movement training.2014
Author(s)
Yoshida M, Origuchi M, S, Takatsuki A, Kan S, Aso T, Shiose T, Sawamoto S, Miyauchi S, Fukuyama H, Seiyama A.
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Journal Title
NeuroImage: Clinical
Volume: 5
Pages: 161-168
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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