2015 Fiscal Year Annual Research Report
歩行分析のための3軸床反力計測インソールの開発と簡易型歩行無線計測システムの構築
Project/Area Number |
25560285
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
福田 博也 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (90294256)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歩行リハビリテーション / 床反力計測 / フォースセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,歩行リハビリテーションやスポーツ指導などの現場において,「歩き方」や「走り方」を定量的に評価するために,3 軸床反力計測インソールの開発と簡易型歩行無線計測システムの構築を目的としている。本年度の取り組みと得られた成果は次の通りである。
(1) 歩行データを可視化するためのアプリケーションの開発 ― 歩行リハビリテーションなどの現場において日常的かつ手軽に利用できるように,得られた歩行に関するデータ列を可視化するためのアプリケーションを開発した。AD コンバータで得られた歩行データ列を ZigBee による無線通信を用いてパソコンで収集し,VisualBasic で作成したアプリケーションによりリアルタイムで画面表示した。画面サイズの小さいスマートフォンで表示するには表示項目を絞るなど,更なる工夫が必要であることがわかった。 (2) 異なる歩調および異なる履物を用いた被験者実験によるシステムの有用性の検証 ― 開発した床反力計測インソールを用いて,歩調,床面環境(平地,傾斜)を変化させたときの床反力を計測し,システムの実際応用上の有効性について検証した。床反力波形の各特徴点における誤差は 5% 程度であった。誤差の原因はフォースセンサの性能によるものであることがわかった。得られた結果は歩行分析のための簡易型歩行無線計測システムの実用化に向けて,工学系,医療系,スポーツ系の学会にて公表した。さらに,雑誌論文(査読付)に掲載されることとなった。
開発した簡易型歩行無線計測システムの有用性を,歩行停止や開始,方向転換,段差歩行など日常動作で起こり得る様々な過渡的な動作や,健常者だけでなく高齢者や障害者のような下肢疾患者で確認できれば,歩行分析の発展は勿論のこと,例えば,高齢者の転倒メカニズムの解明や高齢者のための生活空間や住宅の設計に貢献すると思われる。
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