2013 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者の状態把握を行う聞き手エージェントの研究開発
Project/Area Number |
25560291
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
中野 有紀子 成蹊大学, 理工学部, 教授 (40422505)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 佑樹 成蹊大学, 理工学部, 助教 (40633524)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 介護支援 / 状態把握 / 会話エージェント / 見守りサービス |
Research Abstract |
H25年度は,会話エージェントとの会話を通して,認知症高齢者の健康状態や精神状態を把握するシステムの構築に取り組んだ.エージェントからの問いかけに対してテンポよく,リズムよく,また積極的に応答しているか否か(これを「反応性」とよぶ)に着目し,応答開始までの時間,ピッチ,発話長,抑揚のデータをクラスタリングした結果,反応性の良い/悪い発話を識別する基準が得られた.これに基づき,エージェントとの会話ログから,自動的に反応性を判定する機構を構築した.次に,反応性の判定結果をわかりやすく提示するためのダイジェスト文の生成方法を考案した.ダイジェスト文生成の指針として,(I)認知症高齢者全体の会話ログと比較し,他者と比べて良い反応が見られた特徴項目,および(II)個人内の会話における各質問について,良い反応を示した特徴項目という2パターンについて,ポジティブな側面を要約した文章を生成する.選択された特徴項目を用いてテンプレートによる文生成を行うシステムを構築し,反応性の判定結果からダイジェスト文を自動生成するシステムを実装した.さらに,反応性の判定結果,ダイジェスト文,会話の様子を収録したビデオが表示される会話活動レポートシステムを実装した.本システムの評価実験を行った結果,患者の会話活動の記述として妥当なダイジェスト文が生成されていること,レポート生成システムは患者の様子を概観するのに有用であることが確認された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
認知症高齢者の状態把握のための基本的なモデルを構築し,システム化できたので,初年度の目標は達成できたと考える.また,作成した会話活動レポートシステムには,遠隔地から患者を見守る介護者向けシステムの基本機能が実装されており,今後,このシステムを改良し,一般家庭でも簡単に利用できるような形態にしていくことにより,最終年度の実証実験に向けて準備を進める予定である.
|
Strategy for Future Research Activity |
研究は,おおむね予定通り進められており,今後も基本的には当初計画に従って進める予定である. 最終年の実証実験に向けての技術的な課題としては,システムの軽量化と安定化であると考えている.現在のシステムは,音声処理やアニメーション等重い処理を実行する必要があり,タブレットのような携帯端末では不十分である可能性がある.必要であれば,システムの設計を再検討する必要性も考慮すべきと考えている. また,現在は音声情報のみから状態把握を行っているが,H26年度は,言語情報や顔画像情報についても分析し,より信頼性の高い状態把握方式を確立していく予定である.
|
Research Products
(5 results)