2015 Fiscal Year Research-status Report
潜在連想テストを用いた中学生・大学生の「武道」イメージの検証
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25560301
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田中 幸夫 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60179794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守 一雄 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30157854)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 武道のイメージ / 潜在連想テスト |
Outline of Annual Research Achievements |
中学生のイメージ解析を中心に行った。 文部科学省は平成20年改訂の『中学校学習指導要領』で、中学校保健体育における「武道の必修化」を告示し、平成24年度からの実施が始まった。従来のアンケート調査では明らかにできなかった「武道」に対するホンネ(=潜在態度)を調べるために長野県の中学生を対象にして研究を行った。 潜在指標として、回答者のホンネを探ることができる新しい原理に基づく潜在連想テスト(IAT)と潜在連想テスト(IAT)を改良して紙と筆記具だけで簡便に実施できる「集団式潜在連想テスト」(FUMIE)テストを実施した。「集団式潜在連想テスト」(FUMIE)の結果および顕在指標としてスポーツのイメージのアンケートから、1)「武道」イメージの潜在指標と顕在指標の比較、2)「武道」クラブ所属学生と一般学生の「武道」イメージの比較、3)男女の相違によるの「武道」イメージを比較分析した。 中学1~3年生のおよそ250名を対象とした結果、武道に対するイメージは、全体として武道(剣道)の授業の前後でのイメージダウンの傾向は見られなかった。男子中学生に比較して、女子中学生では、むしろ武道に対して好ましいイメージを持っていることがわかった。運動クラブと文化クラブの所属との関連については大きな違いは見受けられなかったが、さらに詳細な分析が必要と考えている。また、大学生を対象とした実験結果との比較はこれからである。 このことから、中学生の武道に対するイメージは決して悪いイメージではないものと推察される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中学生の武道に対するイメージアンケートを授業前後で実施した。1年生から3年生までの男女のデータ(250名分)の採取など、おおむね実験計画どおりに実施されている。しかし、武道の授業(剣道)の授業が3学期のため、また学校の行事などが重なりデータの回収が遅くなった。1学年3クラス、2学年3クラス、3学年のデータの収集はできたがデータ数の多さから解析が遅れている。 また、大学生のデータの採取も終えたが、武道系サークル所属の学生のデータを少し加えたい。
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Strategy for Future Research Activity |
中学生のデータを運動部所属と文化部所属にわけ、より詳細に解析を行う予定である。 また、1年生が2年生になり年次進行による武道に対するイメージの変化の有無について解析を行う。 さらに中学生のイメージと大学生イメージの違いがあるのかを比較検討する予定である。 データの解析等を踏まえ2016年度の日本武道学会にて発表する予定である。
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Causes of Carryover |
中学生の武道に対するイメージアンケートを授業前後で実施したが、武道(剣道)の授業が3学期のためアンケート実施が年度末になり、集計が遅くなってしまった。また、中学校の行事などが重なりアンケートの回収が遅くなったこともあげられる。およそ250名のデータが採取できたが、データ数の多さからデータの解析も遅延した。このため日本武道学会での発表予定であったが、できなくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残額については、データの解析のための人件費および日本武道学会への出張旅費として使用する予定である。
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