2015 Fiscal Year Research-status Report
「フォーム(型)を知る、学ぶ、伝える」を促進するシステムの構築
Project/Area Number |
25560302
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
七五三木 聡 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20271033)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山際 伸一 筑波大学, システム情報工学研究科(系), 准教授 (10574725)
黒須 雅弘 東海学園大学, スポーツ健康科学部, 講師 (60469054)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 視覚性高速連続運動 / 視覚-運動連関 / 運動視 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25-26年度の研究によって開発したヒトの視覚-運動制御能の計測・解析システムを用いて、20名の被験者の基礎的データを取得した。実験課題として、被験者の眼前に設置された液晶ディスプレィ右端の様々な位置(高さ)から左端に向かって水平に等速直線運動する視標(ターゲット)を、ディスプレィ左端にあるカーソルを上下に動かしてヒットさせる課題を用いた。カーソルは、被験者が親指と人差し指で摘まむフォースセンサーに加わる力に応じてディスプレィ左端を上下に移動するようになっており、被験者は把持力を調節することで、カーソルをターゲットにヒットさせた。視標速度は、視角25度/秒から77度/秒までの8種類を設けて、運動する視標に応じた把持力制御機構の特性を検討した。その結果、ターゲットの出現から数十ミリ秒から数百ミリ秒の潜時の後に、ターゲット位置に向かうカーソルの動き出しと、そこから一定速度(時間変化率)のバリスティックなアプローチ運動が起こることがわかった。ターゲットが低速から高速になるにつれヒット率の低下(ミス率の増加)が起こり、高速時では、カーソルが動き出すまでの潜時の長短、すなわち、運動発現前の視覚情報処理の時間の長短がヒット(ミス)の発生率に強く関与している事が明らかになった。また、高速になるほどアプローチ運動の速度を大きくして対応する傾向があり、ヒットの場合は速度を大きく出来たケースが多く、ミスの場合では逆に速度が小さく、そもそもアプローチ運動を行えていないケースが多いことが明らかになった。これらはいずれも視覚による情報処理の速度や精度が本課題の視覚-運動制御のパフォーマンスを大きく左右することを示唆する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究計画の心理物理実験システムは、被験者に見せる視覚刺激をディスプレィで高速表示することが要求される。そのため、視覚刺激作成プログラムおよびディスプレィ選定などを含め細心の注意を払って実験システムを構築し、実験を実施してきたが、本年度に入り、プログラムのバグなどでは説明がつかない時間遅れが数百試行中に1・2回発生することがわかった。発生頻度は低いため、実験結果そのものには大きな影響がないが、時間遅れの原因を解明して、再度実験をやり直す予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
視覚刺激提示の時間遅れの原因がプログラムのバグでないことははっきりしているため、視覚刺激作成のためのアルゴリズムそのものを変更することで、CPUへの負担を減らし、本問題を解決する予定である。
|
Causes of Carryover |
本研究計画の心理物理実験システムは、被験者に見せる視覚刺激をディスプレィで高速表示することが要求される。そのため、視覚刺激作成プログラムおよびディスプレィ選定などを含め細心の注意を払って実験システムを構築し、実験を実施してきたが、本年度に入り、プログラムのバグなどでは説明がつかない時間遅れが数百試行中に1・2回発生することがわかった。発生頻度は低いため、実験結果そのものには大きな影響がないが、時間遅れの原因を解明して、再度実験をやり直す予定である。この実験結果を基に、バイオフィードバックシステムを付与およびその効果の検証実験を行う。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
昨年度実施した実験のやり直しを行うため、被験者の約10万円の謝金が必要となる。また、バイオフィードバックシステムの開発に約80万円および現実験システムへの組み込みに約20万円が必要となる見込みである。
|
Research Products
(7 results)