2014 Fiscal Year Research-status Report
小・中学校におけるトレーナーによるスポーツ医科学サポート体制の構築
Project/Area Number |
25560305
|
Research Institution | International Budo University |
Principal Investigator |
山本 利春 国際武道大学, 体育学部, 教授 (30182637)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | トレーナー / 小・中学生 / スポーツ傷害予防 / スポーツ医科学サポート / スポーツ指導者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、トレーナーが学校、医療機関、スポーツドクターと連携し、小・中学生を対象にスポーツ傷害の予防、リハビリテーション、コンディショニング、体力向上のためのトレーニングなどを提供し、学校現場におけるスポーツ医科学サポート体制の構築をめざすものである。これまでの2年間の研究事業では、学校現場における子どものスポーツ傷害の対応および傷害予防のためのコンディショニングに関する問題点をスポーツ医科学的な視点から課題整理し、今後の実践的なトレーナー介入のためのより有効な方法を検討するための情報収集を行ってきた。特に平成28年度から導入される運動器検診の体制が本研究の事業と深く関連することから、医師との連携の必要性を考慮し、その領域の専門家を招いたシンポジウムを開催し、さらなる情報収集を行った。学校現場の指導者とのヒアリングをしていく中で、部活動の活動規模や指導者の考え方で応急処置や傷害予防に関する意識も大きく異なることから、学校現場の特徴を充分に吟味した上で適切なトレーナー(専門家)の介入を行う必要があることがわかった。今後さらに、保護者、養護教諭、体育教諭、部活動指導者を対象としたスポーツ傷害予防のためのストレッチングやトレーニングの方法、傷害発生時の応急処置やコンディショニングの方法に関するセミナーを開催するとともに、実施したアンケートの結果を踏まえて配布用リーフレットを作成して配布し、対応方法の啓蒙を図る。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、学校の健康診断における運動器検診の体制を整備・充実する試みが始まっている。これらの試みは児童・生徒の運動器機能障害やスポーツ障害を早く発見し、適切な指導・教育・治療を施すことにつながり、本研究の事業と密接な関わりを持つ内容である。よって、本研究においても医師との連携の重要性を懸念し、その領域のさらなる情報収集が余儀なくされた。平成26年度は学校現場におけるスポーツ医科学サポート体制を構築する上で、どのような課題が存在するのかを把握するために、運動器検診や子どものスポーツ傷害の予防に関する事業を行っている医療機関やスポーツドクターとの情報交換を行うことを優先した。学校現場に対するアンケート調査の内容もその情報を反映させた上で実施することにしたため、現場への実践的なアプローチは若干遅れて実施することになった。
|
Strategy for Future Research Activity |
小・中学生の養護教諭、体育科教諭、部活動指導者を対象に、子どものスポーツ傷害への対応および予防のためのコンディショニングに関する実状を再度調査し、得られた調査結果と昨年度までに得た現場の問題点や運動器検診との関わりを踏まえて分析し、具体的なトレーナーサポート活動の内容を検討する。協力校で小・中学生対象のメディカルチェック、体力測定、スポーツ傷害の予防に関する実技講習などを実施する。また、保護者、教員、部活動指導者を対象としたスポーツ傷害予防のためのストレッチングやトレーニングの方法、傷害発生時の応急処置やコンディショニングの方法に関するセミナーを開催するとともに、実施したアンケートの結果を踏まえて配布用リーフレットを作成して配布し、対応方法の啓蒙を図る。さらに、トレーナー、スポーツドクター、医療機関・民間団体、学校との地域医科学サポート体制に必要な調整を図り、地域の専門的な施設、用具、人材の有効活用について方策を検討する。これまでの研究成果を関連の学術集会で公表し、本取組の意義を広く啓蒙していく。
|
Causes of Carryover |
特に平成28年度から導入される運動器検診の体制が本研究の事業と深く関連することから、医師との連携の必要性を考慮し、その領域の専門家を招いたシンポジウムを開催し、さらなる情報収集を行った。また、学校現場の指導者とのヒアリングをしていく中で、学校現場の特徴を充分に吟味した上で適切なトレーナー(専門家)の介入を行う必要があることがわかった。そのため、養護教諭、体育科教諭、部活動指導者を対象に、子どものスポーツ傷害への対応および予防のためのコンディショニングに関する実状を再度調査し、得られた調査結果と昨年度までに得た現場の問題点や運動器検診との関わりを踏まえて分析し、具体的なトレーナーサポート活動の内容を検討することにした。よって、本格的な調査とそのフィードバックのためのリーフレット作成が年度末にまたがったため、次年度に繰り越すことになった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
東京都内の全中学校に対する実状調査を実施する(5月)。その調査結果と昨年度までに得た現場の問題点や運動器検診との関わりを踏まえて分析し、保護者、教員、部活動指導者が活用できるスポーツ傷害予防のためのストレッチングやトレーニングの方法、傷害発生時の応急処置やコンディショニングの方法に関するリーフレットを作成し、協力校に配布する。さらに関連のセミナー等を開催して、対応方法の啓蒙を図る。
|