2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25560315
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 裕二 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (30191456)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 心理的距離 / ゴルフパッティング |
Research Abstract |
平成25 年度は,共通実験系の設定と予備実験,第一実験を行った. 共通実験系の設定は,1.8m(W) ×8m(D) × 0.3m(H) の台の上に,人工芝を引き,0.6m から3.3m までの0.3m 刻みに10 種類の距離を設置し,10.8cm のホールを中心に置いた.計測空間を取り囲むように6 台の赤外線カメラを設置し,光学式動作解析装置でパッティング動作を計測できるようにした.マーカーは身体各部位(頭部,両肩峰,両肘,両手首,両大転子,両膝,両足首,両つま先)とパター(グリップエンド,シャフト,パターヘッド)に貼付した.また,ホール真上に高速度カメラ(240 fps)を設置し,カップ手前30cm からのカップインまでの速度を計測し,減速率からボール停止位置を推定した.そして,予備実験を行い,計測指標の妥当性,信頼性を確認した. 第一実験は,10種類の距離に対して,マグニチュード推定法と実際のパッティング動作から,物理的距離と心理的距離,運動パタンの変化を検討した. 実験参加者:プロゴルファー男女各5名と,ゴルフ経験5 年以上でハンディキャップが9以下のアマチュア競技ゴルファー男女各5名を対象とした. 手続:参加者ごとに乱順,上昇・下降系列の3条件で10種類の物理的距離に対して,まずマグニチュード推定法で距離の評価と,成功への確信度評価を10段階で6回ずつ行った.その後実際に,各距離について3条件でパッティング動作を,10試行ずつ行った. 解析:現在,心理的距離の集計と,物理的距離に対して,パッティング動作のキネマティクス,パターの動き,ボール停止位置を指標とし,距離を分岐パラメータとした各指標の変化を検討している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画では,第一実験では乱順に,第二実験では上昇・下降系列でという,心理的距離の評価と実際のパッティング距離の順序を分けて行う予定であった.それを実験方法を工夫することによって,この3つの条件を一度に行うことができた. また,各距離が実験参加者に明示的にわからないように,蛍光塗料とブラックライトを用いたマーカーを使うことによって,各距離条件の設定が容易となった.と同時に,Wifiを利用した高速度カメラの操作によって,短時間で実験を行う工夫が行えた. さらに,当初計画では,ハンディキャップ9以下のアマチュアゴルファーだけを対象とする予定であったが,より技能水準の高い人の特徴を検討するため,プロゴルファーも対象とすることができた.これによって,技能水準との関係をも検討できるようになった.
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Strategy for Future Research Activity |
まずは,現在取得した膨大なデータの解析が当面の課題となる.運動データの解析方法,およびボール速度の算出方法は既にほぼ確立しており,これらの基礎データを整理して,距離を分岐パラメータとするふるまいを力学系理論から解析予定である.さらに,上昇・下降系列のデータも取得済みであることから,履歴現象についても検討する. これらの解析によって,当初計画の第三実験にあたる,不安喚起状態下での心理的距離の実験を進めていく予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は,実験参加者への謝金が生じなかったため 次年度は,不安喚起による実験を計画しているが,その際,実験参加者への謝金が生じるため,それに充当する予定である.
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