2015 Fiscal Year Annual Research Report
復刻木製ヤリにみる競技用ヤリの高剛性化に関する研究
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25560318
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
前田 正登 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (90209388)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スポーツ科学 / ヤリ / 剛性 / 木製 / やり投げ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究を遂行するにあたっては,初年度に,(1)材質の異なる競技用ヤリを用意すること,そして,(2)それらのヤリの特性を調査し確認したうえで,翌年度及び最終年度にかけて,(3)それらのヤリを選手に投げさせる投擲実験を行い,ヤリの諸特性が選手に及ぼす影響を検討することとしていた。 本年度は,これらヤリの諸特性の測定とヤリの投擲実験の結果を総合して,(4)ヤリの諸特性,特に剛性がやり投げの競技記録に及ぼす影響を考察し,研究最終年度として本研究を総括する計画であった。 復刻・製作した木製ヤリと通常ヤリを用いた投てき実験を行い,各ヤリを使用した試技について投射時のリリースパラメータを比較しながら,木製ヤリの使用が投てき距離,あるいは,投射時のリリースパラメータに及ぼす影響を検討した。 その結果,木製ヤリと通常ヤリを使用した場合の投てき距離を比較すると,木製ヤリの方がやや小さかったものの,有意な差ではなかった。また同様に,投射時の各リリースパラメータに有意な差が認められた項目は無かった。これらには,投射高を除く各パラメータの標準偏差が比較的大きく,被験者間で値が異なることが原因の1つと考えられた。 現在の競技会で木製のヤリが使用されることは無く,これまでの競技用ヤリに関する素材の変遷を考えると,競技用ヤリの志向は高い剛性を有するものであり,今後も剛性が格段に低い木製ヤリが競技会に登場することはあり得ないであろう。しかし,競技用ヤリに求められる特性の1つとして剛性が挙げられているからには,ヤリの剛性が競技記録に及ぼす影響を,剛性が異なる複数のヤリを投げて比較する投てき実験により,直接的に検討することが必要であろう。
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Research Products
(1 results)