2014 Fiscal Year Annual Research Report
筋収縮刺激による培養筋細胞を用いたミトコンドリア遊走機構の解明
Project/Area Number |
25560345
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
檜垣 靖樹 福岡大学, スポーツ科学部, 教授 (10228702)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 みず紀 公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所, その他部局等, 研究員 (10585186)
兼岡 秀俊 福岡大学, 医学部, 教授 (20161169)
安藤 創一 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (50535630)
安野 哲彦 福岡大学, 医学部, 助教 (80551994)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | ミトコンドリア / 脂肪滴 / 培養細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満者の骨格筋細胞内には多量の脂肪が貯蔵されており、脂肪量とインスリン感受性は負の相関を示す。一方、インスリン感受性が亢進している持久鍛錬者の筋細胞内脂肪量は、健常人(非運動選手)の2.5倍にも達し、肥満者よりもさらに多い。しかし、なぜ持久鍛錬者は多量の筋細胞内脂肪を有するのに、インスリン抵抗性を引き起こさないのか、筋内脂肪貯蔵が同量でも全く異なる生理現象を引き起こす要因は何か、不明である。 平成26年度は、平成25年度の実験結果より明らかとなった課題を解決するために以下の実験を行った。C2C12培養細胞を用いた実験系を用いて、培養溶液に50mMのパルミチン酸を添加して、脂肪滴が観察される培養条件を明らかにした。脂肪滴の同定にはLipidTOXを用い、緑色蛍光像にて評価した。これまでの培養条件においては、脂肪滴の観察が非常に困難であったが、パルミチン酸を添加した条件で培養することで、細胞内に脂肪滴の蓄積が観察できた。さらに、C2C12培養細胞内に存在するミトコンドリアをMitoTracker試薬で染色し、両者の局在を可視化した。 タイムラプスを用いた経時的な変化を観察したところ、核の周辺にミトコンドリアと脂肪滴が局在すること、また、それらの解剖学的位置関係を有しながら脂肪滴を取り囲む動画像を得ることができた。筋内脂肪貯蔵が同量でも全く異なる生理現象を引き起こす要因として、ミトコンドリアと脂肪滴の解剖学的位置関係および核を含む3者の連動が左右する、という可能性をさらに高める結果が得られた。 今後、タイムラプスで観察できる動画像領域には限度があるため、3者の連動を高確率で捉える実験条件の構築に向けて実験を継続したい。
|
Research Products
(3 results)