2013 Fiscal Year Research-status Report
大学生への肺がん感受性遺伝子多型告知による禁煙行動への影響
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25560351
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
清原 千香子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00169963)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 禁煙教育 / がん / 感受性遺伝子 / 喫煙 / 行動変容 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
本年度は、九州大学において喫煙の健康影響や肺がん感受性遺伝子についての講義を行った学部学生を対象に喫煙状況や遺伝子解析に対する考え方についての基礎調査を実施した。348名の回答が得られた。これまで喫煙をしたことがない者の割合は男性では92.7%、女性では98.3%であった。これは国民健康・栄養調査結果から推定される喫煙率よりも極めて低かった。また、現在喫煙している者の割合は男性では3.23%、女性では0%であった。医学系の学生と非医学系の学生の間で喫煙率に有意差は認められなかった。また、「喫煙者は今後も喫煙を継続するか?あるいは非喫煙者は今後喫煙を開始するか?」の質問についても両者間に有意差は認められなかった。喫煙すると遺伝的に肺がんになりやすい(高感受性である)と言われたら、そのことに怯えるかという質問に対しても医学系学生と非医学生の間には有意差がなく、怯えると回答した者の割合は両群ともに5割を越えていた。しかし、その質問に対する回答は男女間では有意差が認められた (P <0.0001)。つまり、女子学生では怯えると回答した者が約70%であるのに対して、男子学生では約52%であった。もしあなたが喫煙者で高感受性であると言われた場合の回答に医学系学生と非医学生系学生の間に有意差は認められなかった。一方、同一質問に対して、男女間では有意ではないが(P = 0.054)、男性学生 (約66%) では直ぐに禁煙すると回答した者の割合が女子学生 (約75%)に較べて少なかった。同様に、もしあなたが喫煙者で低感受性であると言われた場合の回答についても医学系学生と非医学生系学生の間で有意差はなかった。しかし、同一質問に対して男女間では有意ではないが(P = 0.058)、男性学生 (約43%) では直ぐに禁煙すると回答した者の割合が女子学生 (約33%)に較べて多かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は基礎調査を実施して、喫煙状況や遺伝子解析に対する考え方を知ること目的であったので、概ね計画通りに研究は進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
学生の喫煙率は予想外に低いことが分かった。また、喫煙による肺がん感受性遺伝子が高感受性と言われた場合に、非常にその結果に怯えていることが分かった。前者に対する対応としては調査対象をさらに拡大し、後者に対する対応としては今後は遺伝子多型の測定をするので個々の学生に対して丁寧な遺伝カウンセリングが行えるような体制を構築していくことが必要と考える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は基礎調査の実施のみであったので、遺伝子採取のためのキットの購入のみであったので、遺伝子多型解析に関わる人件費や試薬などの消耗品費の支出がなかった。 平成26年度に繰り越された予算は、平成26年度に行われる遺伝子多型解析に関わる人件費や試薬などの消耗品費の支出に充当する。
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