2013 Fiscal Year Annual Research Report
大学不登校に対するアプローチ法の開発-アウトリーチ型支援の有効性-
Project/Area Number |
25560353
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
藤田 長太郎 大分大学, 保健管理センター, 教授 (50209061)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 大学不登校 / アウトリーチ型支援 |
Research Abstract |
近年の学生には進学目的の曖昧さや資質・学力の多様化および「横のつながり」の乏しさがみられるために、在学中に孤立したり学業面で困難をかかえた時に不登校がちとなることがある。そしてそこから休学・退学や「社会的引きこもり」に結びつくこともある。 現在、本学ではこうした不登校傾向の学生に対して家庭訪問やフリースペースの提供および学習支援を行っているところであるが、このようなアウトリーチ型支援の有効性を調査し、大学不登校ひいては社会的引きこもりへのアプローチ法を検討することにした。 そこで本学の学部学生のうち不登校傾向があるか(1ヵ月以上の不登校あるいは1学期の取得単位数が10単位未満)、その結果休学しているために2008年4月より2011年3月までの間に保健管理センターに紹介ないしは自発的に来所した学生を対象としてその特徴と転帰を把握することにした。 その結果、男性54名・女性15名の計69名の学生が対象となったが、「精神病圏(統合失調症・気分障害)」「神経症・適応障害」「発達障害圏」がみられるケースでは相談・診療を継続しつつ居場所や学習支援を提供したり家族・教職員との連携を行えば82.8%の学生に何らかの改善をみたのに対して「スチューデントアパシー(学業意欲低下)」の学生では45.0%の改善にとどまった。そして特に相談を継続させることができるかどうかが転帰を大きく分ける結果となった。 スチューデントアパシーの学生に対しては家庭訪問や居場所の提供および学習支援を行うことによって相談継続率が高まる可能性があったことも合わせて考えるとさまざまな方法による本人との接点づくりが大切であることが分かった。
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Research Products
(8 results)