2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25560354
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
宮城 めぐみ 琉球大学, 医学部, 助教 (60632015)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 鉄欠乏 / 血管内皮細胞 / 貯蔵鉄 / ヘルスプロモーション |
Outline of Annual Research Achievements |
鉄は我々の体に必須な微量元素である一方、過剰になるとフリーラジカルが発生し、発がんや動脈硬化を促進することが報告されている。本研究では、健常人における体内貯蔵鉄の至適量を探索するため、20代女性を対象に体内貯蔵鉄と血管内皮機能および血管内皮前駆細胞数との関係を検討(横断研究)することと、さらに鉄欠乏性貧血の20代女性に鉄剤内服群と未内服群に割り付けてクロスオーバー試験を行い血管内皮機能等に影響を与えるかについても検討(介入研究)することである。 本研究は臨床研究倫理審査で承認を受け、本事業を推進するために有識者との議論を行い、研究の推進を図っている。現在は臨床データを収集中である。平成27年度は最終年度であり、研究成果を報告予定である。 国民健康・栄養調査によると日本人の平均鉄摂取量は、平成12年を境に7.5mg/日まで減少している。我が国は他国に比べ、若年女性でやせ願望の強く、潜在性鉄欠乏および鉄欠乏性貧血の頻度が高くなっている。今回の研究では、鉄欠乏により血管内皮機能および血管内皮前駆細胞数に悪影響を及ぼすことが判明すれば、やせ願望の強い若年女性に鉄欠乏性貧血への警鐘を鳴らすことが可能となる。今回の研究により、若年女性に鉄分の多い食事を摂取するように促すことができれば、日本における若年女性の貧血頻度の増加に歯止めをかける可能性がある。鉄欠乏により貧血症状を呈している女性が多いようでは日本社会における資源の喪失であり、鉄欠乏の改善が重要であることを国民全体に発信することができれば社会的貢献に繋がるものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度にセットアップし、平成26年度に本学の臨床研究倫理審査で承認を受けて、現在、臨床データを収集している。倫理審査で必要書類の提出や調査方法の見直しが必要となり、事前準備期間が必要であった。研究達成度は当初の計画からすると、目標症例数に達しておらず、十分に実施されたとは言えないため、今回は上記の評価と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床研究倫理審査委員会で承認を受け、平成27年度までに対象者にインフォームドコンセントを行い、了承の得られた約100症例の臨床データを収集する予定で、現在遂行中である。横断研究ではボランティアの20代女性を対象に血液検査(血液生化学検査、血管内皮前駆細胞数)、血管内皮機能検査であるFMD検査を行いデータ蓄積する。さらに横断研究対象者で鉄欠乏性貧血の20代女性に鉄剤内服群と未内服群に割り付けてクロスオーバー試験を行い、血液検査及び血管内皮機能に影響を与えるか検討する(介入研究)。研究協力体制は整っており、血管内皮細胞数測定とFMD検査は研究協力者に対応して行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
本事業を遂行するために、臨床研究審査委員会で書類を提出し、調査方法の見直し等が必要であった。そのため、再度準備期間が必要となり、目標としていた症例数を確保できず、臨床検査費や印刷物制作費等が残り、次年度使用額が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これらの金額と次年度以降に請求する研究費を合わせた使用計画としては、症例数の確保で臨床検査費に使用すること、対象者への理解を深めるための印刷物制作費に使用すること、学会への参加のための旅費に使用することなどを計画している。
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