2013 Fiscal Year Research-status Report
交代制勤務者の心身機能改善を目指した生活習慣の時間構造への介入研究
Project/Area Number |
25560365
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東郷 史治 東京大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (90455486)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | ストレス / 身体活動 / 心身の健康 / 交代制勤務 / 栄養 / 疲労 / 睡眠 |
Research Abstract |
夜勤を伴う交代制勤務に従事する看護師または介護士30名を対象として、ベースライン調査として、日常生活時の身体活動、自律神経活動、睡眠、食事、眠気、疲労、気分等に関する同時モニタリングを日勤日と夜勤日に実施した。これらのモニタリングは小型で携帯性に優れた機器(加速度センサー、携帯型コンピュータ、心拍計)を用いて経時的に実施した。具体的には、腰に装着する加速度センサーを用いて身体活動を測定し、眠気、疲労、気分については、携帯型コンピュータに質問紙調査を実装させ、日常生活下のものを把握した。これらのデータの解析は進行中である。また自律神経活動については、24時間心拍計を用いて心電図波形を記録し、波形のR波の時間間隔時系列データを作成し、順次、スペクトル解析等を用いて解析・評価を進めている。 また、通常日勤者を中心とする健常成人20名を対象として食事介入または運動介入を実施し、プロトコル等の確認をした。食事介入群では、習慣的朝食欠食者については起床後に朝食を毎日摂取すること、また習慣的に朝食を摂取している対象者については、全ての食事時刻を普段のものより3時間遅らせること、を1週間継続して実施した。一方、運動介入群では、土曜日の日中に屋外でウォーキングを1時間程度実施した。なお速度は主観的運動強度として「楽である」に一致するよう設定した。介入前の1週間と介入開始から1週間連続して、日常生活時の身体活動、睡眠―覚醒パターン、食事、眠気、疲労、気分を記録した。これらのモニタリングはベースライン調査と同様に、小型で携帯性に優れた機器(加速度センサー、携帯型コンピュータ)を用いて経時的に実施し、実施可能であることを確認した。 なお、実験室的研究では、食事時刻を遅くする、あるいは早めることで、概日リズムの頂点位相が後退あるいは前進し、さらには血中脂質が減少する可能性があることを見いだした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の計画は、健常成16名(30-50歳)を対象として介入前後のデータの収集(日常生活モニタリング)を行うことであった。条件は、体内時計の位相前進作用があると示唆されている時間帯に合わせて睡眠、食事、運動をそれぞれ実施させる3つを計画していた。 現在までに、ベースライン時の調査として、30名を対象にデータを収集した。また、食事介入と運動介入については20名を対象に実施し、プロトコルの実施可能性について確認した。
|
Strategy for Future Research Activity |
交代制勤務に従事する看護師または介護士20名(30-50歳)程度を新たに対象者に加え、引き続きデータの収集を行う。体内時計の位相前進作用があると示唆されている時間帯に合わせて睡眠、食事、運動をそれぞれ実施し、介入前と介入開始後に数週間にわたり日常生活モニタリングを実施する。その後、データの解析を行い、得られた結果を取りまとめ、成果の発表を行う。解析では、介入前と介入中の睡眠、食事,身体活動の量、質、時間帯について、日々の変動を検討する。時系列データの解析にはクロススペクトル法、共分散構造解析、コサイナー法、マルチレベルモデリングなどを利用し、睡眠、食事、身体活動、眠気、疲労、気分、心臓自律神経調節系機能の24時間リズムやこれらの間の因果関係を調べ介入の影響を検討する。心臓自律神経調節系機能はスペクトル解析やDetrended fluctuation analysis法等を用いて評価する。また通常、心拍は体の動きと強く関連するが、そうした影響を受けない25秒~1時間周期の変動についても検討する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度を含めた計画全体がスムーズに実施できるよう、初年度は高額な測定機器の購入を見合わせたため。 測定機器等物品費として約70万、資料整理、研究補助の謝金に約30万円、論文投稿・掲載料に約20万円、国際会議出席に約30万円、消耗品等の費用として約15万円の支出を予定している。
|
Research Products
(5 results)