2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25560384
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安達 真由美 北海道大学, 文学研究科, 教授 (30301823)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 音楽 / 妊婦 / 胎児 / 胎教 / 胎児起源 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、音楽が健康に与える様々な効用(McDonald et al., 2012)が明らかになってきているが、本課題では特に、妊婦と胎児に焦点を当て、妊娠中の音楽聴取が胎児の行動に与える影響に関するメカニズムに迫る。具体的には、妊婦の個人差(気質、日常の食生活・ストレス解消行動、音楽に対する印象、音楽によって換気された気分、音楽提示前後の気分変化、音楽提示中のストレスレベル)が、妊婦がヘッドフォンで音楽を聴いているとき(妊婦だけが音楽を聴いている=胎児への音楽の間接的接触)と、妊婦が波のような音を聴いている間にスピーカーを通して音楽を提示したとき(胎児だけが音楽に接触している=胎児への音楽の直接的接触)の胎児の反応(ベースライン時と比較して腕と足の動きがどれだけ音楽に随伴しているかをlag sequential分析によって定量化)を、胎児の発達段階ごとに横断的に比較検討した。 参加者は妊娠18-22週(n = 11)、23-27週(n = 20)、28-32週(n = 26)、33-36週(n = 21)、すべて単生児であった。刺激には、スピーカー呈示において特別に音量を増幅しなくても音響エネルギーが遮断されにくい低音域の曲(チェロの独奏曲)で、事前に「楽しい」「優しい」「悲しい」印象を与えることが確認されている曲を用いた。 各発達段階ごとのパス解析で最も適合度の高かったモデル(GFI >= .99, AGFI >= .92, RMSEA < .001) によると、いずれの発達段階でも、妊婦がストレス軽減につながるような食生活を行っていたり、音楽聴取中あるいは聴取後にストレスやネガティブ気分が軽減されやすかったりする場合に、胎児がより音楽に随伴して動くということが明らかになった。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] The development of fetal responses to music based on longitudinal data2015
Author(s)
Chen, L., Adachi, M., Taga, M., Handa, Y., & Minakami, H.,
Organizer
The 9th Triennial Conference of the European Society for the Cognitive Sciences of Music
Place of Presentation
RNCM, Manchester, UK
Year and Date
2015-08-17 – 2015-08-22
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[Presentation] An exploratory study on the fetal movement to music.2014
Author(s)
Chen, L., Adachi, M., Taga, M., Minakami, H., Handa, Y., & Kaneuchi, M.
Organizer
The 13th International Conference on Music Perception and Cognition
Place of Presentation
Yonsei University, Seoul, South Korea
Year and Date
2014-08-04 – 2014-08-08