2013 Fiscal Year Research-status Report
新規天然物生合成遺伝子クラスターの合理的探索法の確立と物質生産
Project/Area Number |
25560398
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
及川 英秋 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00185175)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 天然物 / 生合成 / ゲノム情報 / 物質生産 / 糸状菌 / 酸無水物 |
Research Abstract |
酸無水物構造を持つzopfiellin (ZFL)生産菌のゲノムのドラフトシーケンスを行い、バイオインフォマティクスによりそのデータ解析をした。その結果、脂肪酸合成酵素ではなくポリケタイド合成酵素遺伝子の近傍に、縮合酵素および脱水酵素遺伝子を持つ遺伝子クラスターを一個だけ見出した。同様におよびphomoidride (PMD)生産菌のゲノム解析から、やはり3種の遺伝子を持つクラスターを同定した。 ZFL生合成遺伝子クラスターの機能解析を行なうべく、まず生産菌のmRNAより調製したcDNAから縮合酵素および脱水酵素遺伝子をクローニングした。本遺伝子を発現ベクターに組込み、形質転換した大腸菌で発現させ、精製酵素を調製した。両酵素存在下、モデル基質としてオクタノイルCoAとオキザロ酢酸を基質として反応を行なったところ、予想した酸無水物が単一の生成物として得られた。これにより、今回見出された遺伝子クラスターが、糸状菌代謝産物として特徴的な酸無水物型天然物の生合成に関与することが、強く示唆された。これにより、論理的に生合成経路を推定し、ゲノム情報を基に生合成遺伝子を網羅的に取得するのみならず、適切なホストで発現することにより、物質生産が行なうことが可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今回の生合成遺伝子は、ポリケタイド合成酵素あるいは脂肪酸生合成酵素遺伝子と相同性があると考えていたが、予想どおりであったため、比較的容易に同定できた。
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Strategy for Future Research Activity |
天然物を合成するには、今回同定した約10個の遺伝子からなるクラスターの中から、残る二量化酵素と酸化的修飾酵素をコードする遺伝子を探せば良いことになる。これにより期限内に目標が達成可能な状況となった。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品購入で予定した額となるよう考慮していたが、計算ミスにより少額の金額が残ってしまった。 消耗品費の残額に注意して、有効に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)