2014 Fiscal Year Annual Research Report
新規天然物生合成遺伝子クラスターの合理的探索法の確立と物質生産
Project/Area Number |
25560398
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
及川 英秋 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (00185175)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 生合成 / 天然物 / ゲノム情報 / 物質生産 / 糸状菌 / 酸無水物 |
Outline of Annual Research Achievements |
Zopfiellin生合成遺伝子のうち、脱水酵素Zop3と縮合酵素Zop11を用いたオキザロ酢酸と中鎖アシルCoAによるin vitro反応の生成物の構造を確認するため、それら酸無水物の標品を合成した。側鎖が飽和した酸無水物は、アセチレンジカルボン酸ジメチルエステルへのヘキシルグリニャール試薬から調整した有機銅試薬を共役付加させた後、生じた銅エノラートをプレニルブロミドにて捕捉することで合成した。側鎖が不飽和の酸無水物は、ムコブロム酸誘導体への二回のクロスカップリングを行い合成した。合成品は、二種の中鎖アシルCoAを用いた酵素反応生成物と完全に一致した。これにより縮合酵素は、飽和型基質ではアルファ位で、不飽和型基質ではガンマ位で脱プロトン化を行い、縮合反応を触媒することが分かった。
phomoidride (PMD)の生合成遺伝子クラスター上に見つかったポリケタイド合成酵素(PKS)phiA、脱水酵素phiI、縮合酵素phiJの各遺伝子を麹菌に導入し、得られた三重形質転換体を培養したところ、炭素鎖10個の目的とする側鎖構造を有する酸無水物モノマーの脱炭酸体が単離された。これは、炭素鎖12個のアシル基質をPKSであるPhiAが合成し、PhiJがオキザロ酢酸との縮合、さらにPhiIが生成物の脱水反応を触媒することを示している。これを確認するため、Zopfiellinの場合と同様、大腸菌で大量発現したPhiI、PhiJを用いた酵素反応を行い、側鎖にカルボン酸を有する酸無水物の合成に成功した。以上の実験結果から、二種の新規クラスターを同定し、その機能解析に成功した。さらに相同性に基づかない方法論でも新規クラスターが同定可能であることを示した。
|
Research Products
(1 results)