2013 Fiscal Year Research-status Report
成人T細胞白血病関連タンパク質特異的認識ペプチドライブラリーの設計と選択
Project/Area Number |
25560401
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
二木 史朗 京都大学, 化学研究所, 教授 (50199402)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 成人T細胞白血病 / ヒトT細胞白血病ウイルスI型 / HTLV-I HBZ / コイルドコイル / Hitchhiker法 |
Research Abstract |
成人T細胞白血病(adult T-cell leukemia: ATL)は、ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-1)の感染によって引き起こされるウイルス性のがんである。ATLは極めて予後不良であり特異的な治療法開発が課題となっている。HTLV-1がコードするタンパク質のひとつであるHBZタンパク質は、コイルドコイルドメインを持ち、cJunをはじめとするAP-1ファミリータンパク質と結合することが報告されている。本研究では、HBZタンパク質に特異的に結合するペプチドをcJun配列の変異体ライブラリーの中からセレクションすることにより、HBZタンパク質のAP-1タンパク質への結合を競合的に阻害することを通してATLの発症抑制に与える効果の検討を行い、ATL治療の糸口を得ることを目的とした。 Fos由来ロイシンジッパー部位との配列の類似性から、HBZ領域ペプチドとJun由来ロイシンジッパーに対応するペプチドを化学合成し、円二色性スペクトル(CD)や等温滴定カロリメトリー(ITC)を用いて、HBZ領域ペプチドとJun由来ロイシンジッパーペプチドがヘテロ二量体を形成することを確認した。さらに、Fos-Junロイシンジッパー二量体との結合安定性の差や、変異体調製によりヘテロ二量体形成に重要なアミノ酸位置に関して検討を加えた。次いで、Jun配列中の変異導入部位と変異アミノ酸に関して、構築可能なライブラリー数をもとに検討を加え、ライブラリーの設計・構築を行った
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に平成25年度の研究計画として記載したように (1)HBZ領域ペプチドとJunのロイシンジッパー領域ペプチドを合成し、円二色性スペクトルやカロリメトリーを用いて、Fosペプチドと対比しながら、結合様式や結合定数に関する情報を得た。 (2)Jun配列中の変異導入部位と変異アミノ酸に関して、構築可能なライブラリー数をもとに検討を加え、ライブラリーの設計・構築を行った。ただし、当初予定したCompetitorプラスミドに関しては、まず、この非存在下に実験を行い、良い結果が得られなかった場合のみ、26年度これを加えた実験を追加することにした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は申請書に記載の通り、以下に関して検討を行う。 (3)Hitchhikerセレクションシステムを用いてセレクションを行う。 (4)得られた変異型Junペプチド(cJun-derived binding peptide for HBZ)のHBZへの結合性が、Fosに較べて有意に高いことを確認する。 (5)AP-1サイトを用いたレポータアッセイにより、細胞内で変異型JunペプチドがHBZの活性を抑制することを確認する。 (6)Competitorが必要と判断された場合は、これを調製し、(3)~(5)を再度行いHBZタンパク質に特異的に結合するペプチドを得る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度実施項目の(1)のHBZ-Jun相互認識の確認において、条件の見直しにより、実験に用いるサンプル量が当初予定より少なくなったことと、(2)のライブラリーの設計・構築においてCompetitorの調製を省略したために当初予定よりも使用した物品費が少なくてすんだ。 一方、26年度予定される実験において、セレクションやHBZの活性抑制の確認に多量のサンプルや高価な生化学的試薬が必要とされるため、25年度の繰越金とあわせて、十分な実験量を確保し、所定の結果を目指すことを計画している。
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