2013 Fiscal Year Research-status Report
側頭葉ガンマ波増強操作による記憶想起機能向上への可能性
Project/Area Number |
25560433
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
中原 潔 高知工科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50372363)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光遺伝学 / 記憶 / 皮質脳波 / 霊長類 |
Research Abstract |
我々はマカクザルの内側側頭葉において皮質脳波の高密度多点記録を行い、視覚性の長期記憶想起に相関して、皮質脳波が異なる周波数間で位相振幅連関を示すことを発見した。この位相振幅連関は、サルが記憶の想起に失敗した場合、減衰していた。我々はこの発見を元に、内側側頭葉を刺激して特定周波数の皮質脳波を増強すれば、記憶想起機能を向上させられるのではないかと着想した。本研究計画では、サルにおいて、電気刺激あるいは光遺伝学的手法を用いて内側側頭葉に特定周波数帯の皮質脳波を誘導することによって、記憶想起機能を向上できるか否かを検証する。 25年度は光遺伝学手法をサルに適用するための予備的な実験として、共同研究者とともにラット視覚野における実験を行った。アデノ随伴ウイルスベクターを用いてチャネルロドプシンをラット視覚野発現させた。発現領域をカバーするようにシート上の高密度多点電極を皮質上に設置した。チャネルロドプシン発現領域にオプトロードによる光刺激を行い、脳活動を誘発させた。誘発された脳活動はオプトロードおよび高密度多点電極を用いて、それぞれLFP、および皮質脳波として記録した。この実験によってチャネルロドプシンによる脳活動誘発の皮質内の伝搬様式が明らかとなった。結果を現在論文投稿準備中である。 また、サルにおける本実験を行うため、ニホンザル1頭に視覚性対連合記憶課題を訓練し、内側側頭葉に高密度多点電極を慢性留置した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラットを用いた予備的実験が進展し論文投稿準備に至り、またサルにおける本実験開始へ向けた準備が整ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
ラットにおける実験結果の論文受理を目指す。サルにおける本実験を開始する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
共同研究先である新潟大学医学部において霊長類飼育施設の整備が行われ、これに合わせて新規実験備品を導入する計画であったが、動物飼養の認可が遅れているため、次年度に延期した。 光刺激装置の導入、光刺激用チャンバーの設計・製作を行う。
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