2014 Fiscal Year Research-status Report
ミクロネシア女性たちのオーラルヒストリーで辿る「南洋伝道団」の遺産の再構築
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25570021
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
李 恩子 関西学院大学, 国際学部, 准教授 (50580586)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ジェンダー / オーラルヒストリー / 帝国 / ミクロネシア / 身体と生殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度に本研究における成果の一つとして、ミクロネシア連邦チューク州にあるコミュティカレッジの学長を招いて講演会を開催した。講演内容もさることながら、滞在中に他の研究会での発表や交流を交えて、文献や前回のフィールドリサーチでは得ることができなかった、様々な情報と事情を知ることができた。 キリスト教に関連する二つのワークショップで本研究についての発表をした。この発表を通して、いかに本研究のテーマがあまり知られていなかったことを感知することを通して、今後の研究方向にも少なからずの影響が与えられた。そして、その一つの研究会で本研究に関連する当時の海軍について一次資料をふんだんに使った論文を書いた研究者に出会った。これは今後の本研究の発表論文に多くの示唆を与えた。 南洋伝道団の宣教師の遺族に会うことができたが、祖父母の時代のことであり、その活動について聞かされていないことがわかった。そのような事情で本研究はやはり、宣教師当事者たちの個人的動機など、複線的なリサーチは困難であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二つの研究発表とそれをもとにした論文発表ができたことから、おおむね順調に進展していると考える。 2014年度はミクロネシア現地に行くことがきなかった為に本研究の目的の一つである女性たちからのオーラルヒストリーを収集できなかったが、最終年である2015年にそのことを優先して達成したい。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度は夏休みを利用して現地でインタビュー調査を行う。 資料に関しては、初期研究は政府の宗教政策に焦点を当てたが、2015年度は当時の政府の生殖に関する資料の有無をさぐりたい。 また、女性の身体への政治の介入を調べることの研究方策としてソウル大学医学部の研究者と共同作業も予定している。
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Causes of Carryover |
本研究の予算の大半が現地でのフィールドリサーチのための出張旅費であるが、2014年度は、現地調査を予定していたコンタクトパーソンの病気や調整不足等の諸事情により調査が出来なかった。その為、出張旅費に未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2014年度に行えなかったフィールドリサーチ2回を実施する予定であり、未使用額はその出張旅費に充てる。また、成果物出版の費用にも充てる予定である。
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