2013 Fiscal Year Research-status Report
近代化における土俗宗教とナショナリズムの相関関係に関する日韓比較研究
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25580014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
朴 鍾祐 神戸大学, 留学生センター, 教授 (60304078)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 土俗性 / 民俗宗教 / 平田派 |
Research Abstract |
「「近代化における土俗宗教とナショナリズムの相関関係に関する日韓比較研究」をテーマに初年度の研究は以下の項目に重点をおいて進めてきた。 1)思想史における土俗宗教の関連性を調べること。2)その土俗性が如何に近代以降にどのような系図をたどっているかを調べる。3)近代国家形成にどのようなものへ発展したかを調べる。研究の大枠として以上の3点をあげる。これらの研究を進めるうえで、今年度は「土俗」性の全般的理解を深め、類型化を試みた。「土俗」性の概念的類似するものとして、民衆宗教骨格を把握することが初年度の重要課題となる。近世と近代の思想的の変化という側面と国学の転換期の時期と絡み合っている。これと関連して神道の思想的発展に欠かせないのが、平田篤胤を中心とする平田門流の継承と発展である。とりわけ「俗神道」を強く唱える平田篤胤の主張は、従来の神道論に新たに加えることになり、門流の平田鐵胤をはじめ、矢野玄道、大国隆正、鈴木重胤への思想的系図を成していく。この門流の思想を基盤とする近代への国学の発展と民衆宗教のとの関連性を突き止めることが大きいな課題となる。しかし変革期の思想的発展は、国学の独自的発展に止まるものではなく、習合神道系の発生がまた新たなイッシュとして頭角することである。 一方韓国の状況に関しては、朝鮮末期に民衆を巻き込む新たな思想と宗教は、西洋の圧力という外部勢力へ抵抗するものとして登場することは江戸末期とも共通するものではあるが、その外部勢力を規定する対象において異なる様相を呈していることにそれぞれの思想の相違点があるように思う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究を進めるうえで、新たな概念の定義や思想のカテゴリーの規定する作業は、研究の方向性を定める上で極めて重要であるが、その作業は思うほど時間を要する作業であったため、当初の研究の進捗まで至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究に充てる時間をもう少し強化する必要がある、また研究の範囲を少し絞り込む必要がある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査及び資料収集のために旅費の支出が本務の諸般事情によりあまり執行できなかった。 今年は計画に的に調査のための計画を入れることと昨年購入できなかった資料の購入も予定されている。
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