2015 Fiscal Year Research-status Report
近代日本における優生学受容の思想的背景と優生学の重点化・優位化に関する研究
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25580021
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Research Institution | Higashi Nippon International University |
Principal Investigator |
本多 創史 東日本国際大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40528361)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 優生学 / 医学史 / 遺伝子 / 個人史 / 近代日本 |
Outline of Annual Research Achievements |
1930年代から60年代日本において、医学者として優生学に懐疑的な態度を示した木田文夫の文献収集・個人史の調査などをおこなった。 木田は岡山県勝山町(当時)の出身であり、東京帝国大学を卒業後熊本大学、日本医大などで教鞭をとった。彼の執筆した諸著作には、遺伝子決定論への懐疑が語られており、それはひいては優生学への批判になっている。この木田の書物、雑誌論文などをすべて収集することができ、さらにそれをまとめる作業をおこなった。 また勝山町に出向き、勝山図書館司書や勝山町史に詳しい郷土史家から聞き取り調査を行うと同時に、木田の幼少時代を知る方々から人物について聞き取りをおこなうことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
公務多忙を極めており(学科長、全学の教務部長、教務委員会委員長、FD委員会委員長などを同時に務めている)、研究は遅れている。今年度は、この遅れを取り戻すべく、当初の研究計画にしたがって、懸命に努力し研究成果を挙げるつもりである。
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Strategy for Future Research Activity |
大正期生命主義の文献の収集とその解釈をおこなう。生命主義の登場と優生学の出現との内的関連を明らかにする。 主として、東京帝国大学医学部教授の永井潜、古屋芳雄を中心として、優生学が前景化してくる思想的な背景を明らかにし、近代日本史研究に貢献をすべく努力する所存である。
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Causes of Carryover |
公務多忙のため、研究が遅れており、研究費を十分に使用できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は研究に全力を傾け、予定通り研究を進める予定である。
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