2015 Fiscal Year Research-status Report
3Dモデリングシステムを活用した彫刻作品のデジタル造形研究
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25580040
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Research Institution | Tokyo National University of Fine Arts and Music |
Principal Investigator |
今井 紫緒 東京藝術大学, 学内共同利用施設等, 特任研究員 (80626838)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 3Dプリンター / 粉末積層造形 / 光造形 / モーションキャプチャー / 3Dモデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度研究実績は、共同研究として国立研究開発法人産業技術総合研究所デジタルヒューマングループとモーションキャプチャーを用いた運動データの計測を実施した。 研究の題目:「モーションキャプチャーによる動きと時間の可視化に関する研究」 研究目的:モーションキャプチャー技術を活用し、動きや時間、力の強弱といった目には見えないものをデジタル情報として取得し、彫刻的視点からの考察と併せて、立体作品、平面作品などアート作品として成立させることを目的とする。 実施内容は、ピアノ演奏時の手の動きのデジタル計測を通じて演奏曲(音楽)の可視化を実行した。ピアニストである斎藤龍氏に演奏協力を依頼し、9曲をモーションキャプチャー計測した。計測と同時にプロの技術者よる動画映像記録も行った。その後、モーションキャプチャーの計測で取得した3次元座標数値から3Dデータ化を行った。3Dデータ化ではいくつかのソフトウェアを介して一つのまとまった3Dカーブデータを作成した。形状としては一楽曲での左右10本の指の動きを立体として表出することができた。現時点では3Dプリンター出力前の最終データまで完成している。 また、素材の研究として粉末積層造形以外の造形方法のリサーチと実験を行った。光造形機での積層ピッチの精度の確認や出力時の歪みの検証。3D造形機の出力サイズの問題について、データ段階での組み立て方法や内部構造の検討。造形素材の透明度の検証や造形物の塗装の実験などを行った。 27年度の研究実績計画では、3D造形による作品の立体化を行い、本研究の研究成果発表を行う予定であったが、大学業務の多忙により計画の実施が困難であった為、本研究の期間延長申請を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の研究成果発表はデジタルとアートの両側面を考慮し最適な発表場所と時期を検討していたが、大学業務の多忙により27年度期間内に実行することができなかった。その為、本研究の延長申請を行い28年度に引き続き行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、昨年度から作成していた3Dデータはすでに完成しており、今後は3D造形出力を実施し、アート作品として完成させる。また、これまでの研究制作の映像記録の編集も行い、研究の一連の工程をオープンにする準備を進める。 本研究の成果発表では研究期間内に制作した立体作品の他、研究取得したデータをもとに作成した平面作品でも見えないものの可視化をテーマとした作品化を実現する。
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Causes of Carryover |
27年度では大学業務の多忙の為、最終年度計画である成果発表の実施ができなかった。その為、研究期間延長の申請を行い、28年度での研究を継続することにより研究費の使用を申請した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
3D造形出力外注費が主な使用目的である。その他、研究成果発表を行う為の展示に伴う費用やDM作成費に使用する。
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