2013 Fiscal Year Research-status Report
コミュニティのための文化的共有資源のマネジメントに関する実践的研究
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25580042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
諏訪 晃一 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (50440962)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コミュニティの持続可能性 / 共有資源 |
Research Abstract |
本研究は、「コミュニティによる共有資源管理」という観点から、民俗芸能・民間伝承、コミュニティアートなどを包括的に「コミュニティの文化的共有資源」と捉え、それをコミュニティの人々自身が持続的にマネジメントし、コミュニティの持続可能性のための資源として活かすための条件を、実践的な見地から明らかにすることを目的としていた。 今年度は、まず、文化的共有資源のひとつとして、国の重要無形民俗文化財に指定されている、ある村の盆踊りに着目した。具体的な活動としては、「コミュニティと民俗芸能研究会」を組織し、大阪市内で月例の会を実施した。また、研究代表者自身も、村に数日間滞在し、村の人々との交流を持った。大阪市内での我々の活動は、盆踊りを守り続けてきた集落の人々にも認知されつつあり、初年度としては、一定の活動実績を積むことができたと考えている。 一方、本研究では、「文化的共有資源の共同管理」に相対する概念として、森林・漁場・牧草地・水資源といった、自然物からなる共有資源の管理についても検討することとしていた。これについては、開発途上国での活動実績のある、日本の国際協力NGOが持つノウハウに着目した。途上国のプロジェクト地を実際に訪問することはできなかったが、NGOが国内で実施する研修等を通じて、情報収集を行った。この情報収集を通じて、自然物からなる共有資源の管理のための、コミュニティの能力をどのように向上させていくのか、という課題について検討した。また、その課題について、コミュニティの外部者が果たしうる役割と、そのために必要な外部者のスキルについて、一定の知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
情報収集については一定の成果があったが、海外での情報収集については、計画立案時に想定していた相手先との調整がうまくいかず、先送りになった。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の研究活動をさらに発展させ、情報収集に加えて、実践に直接関わる形で進める、アクションリサーチも推進する。海外での情報収集の可能性については、引き続き検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外での情報収集を見込んでいたが、調整が進まず、その費用が支出されなかった。また、研究会開催費用として、会場費や講師謝金の必要性を見込んでいたが、無料で開催できることになったため、その費用が支出されなかった。その他、予算からの支出を伴わない研究活動が多かったため、次年度使用額が生じた。 前年度からの繰越を活用し、当初の計画よりも、現場での実践的な活動に、より多くの予算を投入する。
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