2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25580045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Miyagi University |
Principal Investigator |
日原 広一 宮城大学, 事業構想学部, 教授 (30404833)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 視覚 / 聴覚 / 置換 / 双方向性 / ハイパーメディア / 色相 / 音律 / 知覚 |
Research Abstract |
本年度においては初年度計画の通り、①「視覚→聴覚系」置換装置の制作及び、②「聴覚→視覚系」置換装置の制作(PureDataを用いたプログラム制作)を行った。 ①については、音階(音律)と色相との対照方法について、色相(体系)を重視する方法[分離型]とRGB(個別の色)を重視する方法[RGB型]の2種について試作を試み、色域の広さを考慮し後者で進めることを決定した(前者については、より合理的システムと判断したのだが、今後の展開によって利用を考えることとした)。当該装置制作に関する現行の状況は、最終プログラムの制作を終え、試作機を確認し最終回路制作を行っている段階である。またこれと並行して、センシングされる色空間の制作を行った。課題であったのは、音階の集合(音律)に対応する色空間の集合具合(色相)をどのように体系化するかだった。一般に流通している色空間においては、RGB系の場合、明度の段階化が無視されているため、循環性(=段階化)が獲得できない状況にあり、またCMY系においては、RGBとの整合性において課題があった(センシングの際段階化ができない)。そこで本研究では、RGB系色空間において「原基」を設定(汎用性、再現性を考慮し、フリーソフト『GYMP』環境でのシステムカラー(色数256個)によって制作)。それを基準に、明暗それぞれにむけて明度の段階化を展開。それらに展開された全体から各1色相内(1オクターブ内)に循環できるカラーチップを1個づつ合致させる方法によって色空間の体系化を行った。そのことによって5オクターブ分の広域の色空間を創出が可能となった。 ②については、マルチメディア制作を行えるPureDataによって、当該目的に似合ったシステムを制作した。現在は、MIDI領域とデジタル領域との整合性の調整と、視覚&聴覚それぞれの体系を構成する属性群同志の写像関係を構築中。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度に計画予定であった、両装置(「視覚→聴覚系」「聴覚→視覚系」)の本制作にめどが立ったこと、また当該装置を運用してゆく上での課題が浮き彫りにできたこと、制作途中において特許要件となるに相応しい発見ができたこと等、大きな成果があったと評価している。とくに、制作した装置によってセンシングした色空間より、置換された音階がリアルタイムに発音されたときの印象(の良さ)が当初想像していた以上のものであったことは、視聴した関係者全員の一致した感興であった。このことは今後の研究遂行にとって大きなモチベーションとなってくれた。なお、当該色空間の設計方法については特許出願の準備を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の計画が当初予定していた以上に進展したため、2個の装置(或はシステム)の組み立て終了を前倒しする予定である。またそれに伴って、その後に予定している装置を使った実験(両装置から創作されるそれぞれの創作物に対する印象が互いに相似であるか否かを測る検証実験)についても前倒しし、実験数を増やし信頼性を高める予定である。また、とくに「視覚→聴覚系」側の装置については、その使用においては操作技術(演奏技術)が必要であることから、それについてのプログラムを新たに立てる必要性がある。それについて第二期(26年度)の計画として追加したい。
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Research Products
(2 results)