2014 Fiscal Year Annual Research Report
ポピュラー音楽は進化したのか?~アイゲンミュージック法に基づく検討~
Project/Area Number |
25580050
|
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
三浦 雅展 龍谷大学, 理工学部, 講師 (80368034)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 音響パラメータ / 和音進行 / 音楽理論 / MIDI / 機械学習 / 時代変遷 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポピュラー音楽の和音および和音進行における時代変遷について調査した.具体的には,和音名の抽出と単一和音,2和音進行,3和音進行,4和音進行のデータベースを作成した.また,和音および和音進行の種類数や出現頻度, 3和音でも4つの音からなる和音でもない和音や9th以上の音を含む和音およびそれら和音が用いられる和音進行に着目し,これらの変化を時代ごとや全年代に対して比較を行なった.その結果,時代が進むにつれて一般的に使用されなかった複雑な和音の多様化という時代変遷の傾向が見られた.また,音響信号を対象とした時代変遷では,信号処理によって音楽の時代変遷への言及や様々なジャンルが混在による影響を考慮し使用する楽曲のジャンルをアニメソングに限定し,機械学習による公開年代の自動推定や有効なパラメータの選出を行ない,選出したパラメータを用いたアニメソングの公開年代の自動推定を行なった.主観評価と提案手法による推定との比較結果から,Naive Beyes および Random Forestによる推定結果より,主観評価の結果と提案手法による推定結果に大きな差は見られなかった.従って,客観的な年代推定は,人間が主観的に感じる公開年代とほぼ同じ水準で推定可能であり,工学的側面から社会学的側面での研究結果の裏付けに応用することができると考えられる.また,ある社会学的観点では 1975 年以降の広告音楽における年の区分を 1975-79 年,1980-89 年,1990年以降の 3 つの時期に分けたものもあり,今回の結果と比較すると 1975-79 年の区切りは持たないものの 1979 年と 1980 年の境界および 1989 年と 1990 年の境界の一致も確認された.このことにより,10 年区切りでの年代分割が時代変遷の記述にふさわしいと考えられる.
|
Research Products
(4 results)