2016 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of the Diffusion of Materials Printed with Old Movable Types, Primarily Based on the Analysis of the Digitalized Images of the Old Movable Types Preserved at Ninna-ji Temple
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25580059
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| Research Institution | Kansai Gaidai University |
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Principal Investigator |
村上 明子 関西外国語大学, 英語キャリア学部, 教授 (70261112)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 心蓮院版 / 倭玉篇 / 古活字データベース / 古活字 / 古活字版 / 古活字印刷 / 出版文化史 / 近世初期出版 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、残存する古活字の総合データベースを構築することを全体の構想とする。
まず、仁和寺所蔵古活字をオルソスキャナにより撮影し、データベース化を実施した。この結果、仁和寺所蔵古活字の彫字面を自由に拡大・縮小して確認することが可能となり、特に2ミリサイズのカタカナ活字の視認が容易になった。同時にコンピュータ上に検索機能および比較機能を構築し、『倭玉篇』に使用されたことが確認できている第１種活字・第３種活字については影印本、国立国会図書館本、天理図書館本２種と照合を行い、使用活字を確認した。また、他の古活字版に使用された活字との照合も可能になったので、仁和寺所蔵古活字4種類すべてと、国立国会図書館所蔵『古活字版図録』等、諸本の版面を集めた図録、慶長勅版、キリシタン版、伏見版等の古活字との照合を進めた。また、第2種古活字を仁和寺所蔵古活字版数種と照合した。
次に、図録作成のために仁和寺所蔵の４種類の古活字、及び特殊なものに関して３D撮影を実施し、３Dデータ機能を構築した。これにより古活字を前後左右天地の6面から捉えることができるようになり、彫字の様相もより詳細に具体的に視認できるようになった。
一方、仁和寺が実施した蔵書整理中に、心蓮院版「倭玉篇」の断片が別の版本の包み紙として使用されていることが確認された。本研究の調査の結果、この断片は天理図書館所蔵古活字版「倭玉篇」、木活字版「倭玉篇」の2種と一致し、これにより仁和寺において心蓮院版「倭玉篇」が実際に版行されたことが物理的に裏付けられ、またその体裁から心蓮院版「倭玉篇」の諸本の印刷順序の推定が可能になった。
最後に、これまでに得られたデータを整理し、データベースを完成させるとともに、心蓮院版「倭玉篇」に使用された古活字を中心に研究成果の一部を学内研究会で発表した。
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