2015 Fiscal Year Annual Research Report
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25580062
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
難波 美和子 熊本県立大学, 文学部, 准教授 (50336971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 素世子 東海学園大学, 人文学部, 教授 (70191046)
小松 久恵 追手門学院大学, 公私立大学の部局等, 講師 (80552306)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | インド / 英語文学 / コマーシャル・フィクション |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究成果により、現代インドの英語文学では、商業的成功を目標とする作品が多く出版されており、読者がそうした作品を楽しみ、新しい出版の流れを創り出していることがわかってきた。これを踏まえ、今年度はインドの英語文学の大衆化傾向に注目することとした。平成27年2月に行ったデリー・ブックフェアおよび平成25年度に引き続きデリー大学等で行った読者層アンケートの分析を通じて、英語文学の受容者層の拡大と、彼らが読む文学作品の多様化が確認された。この傾向は、平成28年1月から2月にかけて行ったアンケートの分析でもみられる。これらの研究成果は、9月26日に開催された日本南アジア学会において、「現代南アジアの英語文学における大衆性と英語」というタイトルで発表した。4月以降、インドから作家の招聘を検討したが、予定の調整がつかず、残念ながら断念した。しかしインド最大の文学祭、ジャイプル文学祭の視察を行った。これにより、現代インドの英語文学におけるいわゆるコマーシャル・フィクションへの注目度の高さが改めて認識されたという点で、十分な成果があった。この文学祭には、今後も注目していきたい。また本年度は、課題の最終年度となるため、成果を冊子としてまとめることとし、3月に研究会参加者7名による成果報告書を印刷作成した。 共同研究のための研究会は、3回行った。第1回は8月28日、2月のデリー・ブックフェアとアンケート結果の報告、南アジア学会における報告内容を確認した。第2回は10月17日で、研究成果報告書の作成方針の検討、作家招聘を断念する代替案としてジャイプル文学祭への参加の検討を行った。第3回3月29日は、ジャイプル文学祭の視察報告、本研究課題の現状における総括を行い、成果報告書の送付について相談した。本報告書は今後、南アジア研究者・英文学研究者などに順次贈呈する予定である。
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