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2013 Fiscal Year Research-status Report

英国20世紀前半の児童文学における女児表象研究

Research Project

Project/Area Number 25580065
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research

Research InstitutionTeikyo University

Principal Investigator

松永 典子  帝京大学, 理工学部, 講師 (00579807)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords英文学 / ジェンダー
Research Abstract

ジェンダーおよびフェミニズム視点による学術の再構築が求められて久しいにもかかわらず、一般市民にその意義が十分に浸透しないのはなぜか。政治的権利を獲得した今なお残る女たちの問題とはなにか。こうした問題意識から本研究は、女同士の絆(シスターフッド)の成功と失敗を、大戦間期(第一次世界大戦の開始から第二次大戦開始直前の1939年まで)の文学作品に描かれた「女児」を中心に考察する。考察の横軸に経済・階級・人種とナショナリズムの観点を据え、児童文学に描かれた女たちの絆を縦軸として検証し、その絆の伝統を阻害したもの/促進したものの解明を目指す。
初年度の今年度においては主に五点を実施したが、当初計画との変更があった。今年度におこなう予定だった児童文学作品の入手と分析については、作品入手に思った以上に時間がかかったため、すべて終わらず全体のうち3分の1にとどまった。これによって時間配分の見直しをおこない、以下のとおりH27年度に着手予定の論文執筆を前倒しして実施した。
第一に渡英調査をおこない、必要資料を入手した。第二に研究会の企画および研究会への参加・学会発表をおこない、自分自身の研究内容を同じ分野の研究者から助言を得た。第三にジャンヌ・ダルク表象の検証をおこなった。これは当初平成27年度に実施する予定であったが、研究会でのアドバイスを得ることによって、予定よりも先んじて論文発表することができた。第四に労働をめぐる戦間期の中産階級の若年女性の対立を作品分析し、階級的職業的対立が人為的言説であった可能性を考察し、それを論文として成果発表した。第五に英国戦間期において、とくに労働との関連での女性表象の重要性を確認することができた。
以上のとおり、延期事項があったものの、別の予定を前倒しすることによって、計画全体としては遅延を防ぐことができたと考える。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度である平成25年度においては、研究実績概要にあるとおり、1)渡英調査、2)研究会の企画および研究会への参加・学会発表、3)論文発表、4)児童文学作品の入手と分析(次年度への継続課題)、5)労働の観点からの若年女性の対立を作品分析および論文発表、おもに5点を実施する予定だった。
総合的に判断すると、第一および第二については予定通りだったのに対し、第三については予定よりも成果が早く出たが、第四については遅れ気味である。ただし第三の予定を早めることができたことに加えてH27年度予定の論文発表を前倒しで実施できたので、全体としては第四の遅れについても今後十分に取り返せると考える。

Strategy for Future Research Activity

平成26年度については、以下の五点を中心に進めていく。第一に、前年度同様に渡英調査を実施し、必要資料を入手する。第二に、研究会の企画、学会および研究会に参加し、研究仲間からのアドバイスを得る。第三に、前年度に実施予定だったEvadne Price作品の分析研究を継続しておこなう。第四に、Evadne Price作品の代表作かつ若年女性を主題に描いた、彼女の代表作品の分析をおこない、論文として成果発表するように努める。第五に、第三および第四の課題に取り組みつつ、大衆児童文学の理論的位置づけを整理する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度使用額として2130円残っている。年度末でちょうど研究の区切りがつき、次の実施計画を4月以降に始める予定であったので、基金という利点を活かして、年度内に無理に使用することを控えた。しかし残金は2千円ほどであるので、全体としてはおおむね計画どおりに使用したと考える。
H25年度の残金については必要文具を購入する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2013 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] ジャンヌ・ダルクの主張:バーナード・ショー『聖ジョーン』にみる親族関係2013

    • Author(s)
      松永典子
    • Journal Title

      ヴァージニア・ウルフ研究

      Volume: 30 Pages: 24-44

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] "It Seems Strange That the Sisters Should Be My Enemies": The Nursing Representations before and during the Great War"2013

    • Author(s)
      Noriko Matsunaga
    • Journal Title

      年報 人文編

      Volume: 19 Pages: 143-153

  • [Presentation] 「英国大戦間期の女の職業選択と主体構築」

    • Author(s)
      松永典子
    • Organizer
      日本ヴァージニア・ウルフ協会
    • Place of Presentation
      成蹊大学

URL: 

Published: 2015-05-28  

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