2014 Fiscal Year Research-status Report
医療・心理・教育におけるナラティブ・データの汎用性の検証と分析手法の確立
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25580082
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
奥田 恭士 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (10177173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 靖子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (00331679)
糟屋 美千子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (20514433)
内田 勇人 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (50213442)
寺西 雅之 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (90321497)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 多面的ナラティブ分析 / 物語論 / 文体論 / ディスコース分析 / 臨床心理学 / 健康教育学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、先行研究の精査を踏まえて、学校・教育関係者へのインタビュー、介護老人保健施設、児童養護施設などでの調査を順次進めた。また、データに物語論・文体論・ディスコース分析を加える際の注意点や有効性について検討した。グループ全体の主要な活動としては、平成26年9月27日に、科研費研究グループ主催、国際文体論学会・国際教養学会後援公開シンポジウム『ナラティブ研究の可能性―その理論から実践まで―』(於兵庫県立大学環境人間学部)を開催した。基調講演(奥田恭士)、招聘講演(岡山大学医療教育統合開発センター・伊野英男教授)、研究発表(寺西雅之、糟屋美千子、井上靖子、内田勇人)のあと、パネル・ディスカッションおよび会場参加者との質疑応答をおこなった。国際教養学会ホームページ等で広報し、記録として残している。研究分担者である井上は、児童養護施設退所者へのインタビュ―を進めており、臨床データにKJ法を用いることの意義を見いだした。糟屋は、語用論と言語教育のワークショップでニュース・ナラティブのディスコース分析を学生と行なう教育活動について発表講演をおこなった。また内田は、介護老人保健施設において、施設入所高齢者(74歳~96歳。介護度1~5)に対する幼少期から現在に至るまでの「回想」インタビューを実施した。加えて、平成27年3月14日、寺西を統括責任者とし、日本国際教養学会第4回全国大会(於岡山大学)において、「ナラティブ研究の可能性:理論、実践、そして発展に向けて」と題するポスター発表をおこなっている。研究協力者である坂本南美は、ALTへのインタビューおよびその分析と追跡調査を継続して実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、9月27日に兵庫県立大学環境人間学部において公開シンポジウム「ナラティブ研究の可能性―その理論から実践まで―」を開催した。研究代表者奥田恭士は、シンポジウム基調講演において「なぜ今ナラティブか?」というテーマで研究の総括的視点を提示した。医学的視点から、伊野英男を講演者(「脳から見た医療におけるナラティブ・アプローチの意味と可能性」)として招聘した。研究分担者はそれぞれの分野を視点とする研究発表をおこなった(寺西雅之「“Narrative is everywhere”: 小説からユーモアの語りまで」糟屋美千子「ストーリーとしてのニュース―ニュース・ナラティブのクリティカル・ディスコース分析による検討-」井上靖子「児童養護施設経験者の心理とその支えに関する一考察~「語られない語り」への関わりの観点から~」内田勇人「施設入所高齢者の回想による認知機能回復」)。パネル・ディスカッションによって、ナラティブをキーワードとする相互理解と研究指針を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度も当該分野のナラティブ収集を継続するが、これと並行してナラティブの質・量的な分析およびテクスト分析を行う。収集されたデータは、物語論・文体論・ディスコース分析の観点からテクスト分析を行い、被験者・クライアントの示す変化を言語学的な観点から立証していく。また、研究成果の発表を各自が積極的におこなっていくとともに、分担者から提供されたナラティブ・データを精査し、設定したモデルに関して、言語・文学・ディスコースの立場から分析し、その結果を集約したい。
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Causes of Carryover |
平成26年度は、おおよそ当初の計画通りの執行であるが、グループ全体で予定の4%程度(39,284円)を次年度繰越とした。これは、主に調査時期が27年3月から4月にわたったためで、次年度の継続調査支出に充てる予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度研究費の使用計画としては、本年度から継続して分析手法に関する専門書など書籍費、データ記録メディアを含む周辺機器消耗費に加えて、学会・シンポジウム等への旅費および参加費用、データ提供や分析に関わる謝金と人件費が必要である。また、グループ全体の研究成果発表として、データ開示あるいは紙媒体(著書など)の発行などの費用を見込んでいる。
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Research Products
(10 results)