2015 Fiscal Year Annual Research Report
医療・心理・教育におけるナラティブ・データの汎用性の検証と分析手法の確立
Project/Area Number |
25580082
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
奥田 恭士 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (10177173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 靖子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (00331679)
糟屋 美千子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (20514433)
内田 勇人 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (50213442)
寺西 雅之 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (90321497)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 多面的ナラティブ分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の最終年度である平成27年度は、前年度まで行ってきた分野ごとのナラティブ収集を継続し、それと並行して、ナラティブの質的・量的な分析およびテクスト分析を進めた。井上靖子は、深層心理学的観点から「母なるものの元型」を取りあげ、KJ法による質的研究の意義を検証した。内田勇人は、要介護高齢者に注目し、介護老人保健施設に入所している高齢男女に対してライフレビュー介入を試み、介入効果について検討した。両分担者がそれぞれの専門分野において通常おこなうインタビューのうち、提供の了承を受けることのできた対象群について、二系列の事例提供を受け、研究代表者・奥田恭士(物語論・フランス文学)、分担者・寺西雅之(英語文体論・物語論)および糟屋美千子(ディスコース分析)の3名が、各自の視点から分析を行った。これらの研究を総合し、ナラティブ・データの汎用性に関する共同研究の成果発表として、奥田恭士編『医療・心理・教育におけるナラティブ・データの汎用性の検証と分析手法の確立』(平成25年度~平成27年度科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究 研究成果報告書)を平成28年3月に報告冊子の形で印刷・製本した。また、この報告書に先立ち、研究代表者・奥田恭士は、「ナラティブ」をキー概念とする俯瞰的な報告を、「なぜ今ナラティブか?-その現状・背景・問題について-」(『兵庫県立大学環境人間学部研究報告』第18号, 67-76, 2016)として上梓した。加えて、研究分担者・寺西雅之と内田勇人は、日本国際教養学会において、「庶民的ナラティブ」の文体に関する介護老人保健施設入所者の事例発表(日本国際教養学会第5回全国大会, 東京理科大学葛飾キャンパス, 2016/3/13)を行った。これらはいずれも、これまでの2カ年の研究実績を基盤としながら、最終年度にあたり全体を総括する目的で行われた成果発表である。
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Research Products
(8 results)