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2013 Fiscal Year Research-status Report

文末に起こる現象:コピュラの再考

Research Project

Project/Area Number 25580092
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research

Research InstitutionReitaku University

Principal Investigator

大野 仁美  麗澤大学, 外国語学部, 教授 (70245273)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords情報構造 / 文末 / 文法 / コピュラ
Research Abstract

この研究は、ともにコピュラと解釈されることのある日本語の(文末の)「ダ」と、 グイ語(コエ語族)の「'a ('は声門閉鎖音)」とがともに情報構造との関わりも見せることから、これらの対照をもとに、類型論的立場にたった通言語的比較対照の可能性をさぐるものである。今年度は、日本語の「ダ」に関しては、(文末に限らず)その生起位置とその位置において果たしている機能のリストアップをおこない、またそれらを現代日本語と関西方言とで比較し相違点を明らかにした。その具体的データに基づく検証は来年以降実施する。また「ダ」に関わる議論をより包括的にすすめるために、コピュラ文の意味;コピュラと情報構造の関わり;国語学における「ダ」にかかわる議論、について基礎的準備的な文献研究をおこなった。なお当初予定していた第一次資料収集のための方言調査は実施しなかった.一方、グイ語に関しては、「'a」に関する議論を同系統の言語との比較にもとづいてすすめることを可能にするため、当初の予定を繰り上げ初年度から現地調査を実施し、系統的にもっとも近い言語とされるガナ語の変種と思われるツェラ語の調査を実施した.その結果、まずコピュラ文の形成においてグイ語とツェラ語では「'a」の出現に相違点があることがあきらかになった。またテキストも数点収集したが、今年度協力を得た話者は若年層(30代)であったため、来年以降より年代の高い層との調査でさらに確認検証し、この両者間で「'a」がどの程度文法項目としてあるいは情報構造のマーカーとして用いられているのかを、さぐっていく予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

日本語に関しては、方言の第一次資料収集を実施しなかったが、当初より精緻な基盤を作成することができたので、問題はない。グイ語(およびその他のコエ語)に関しては、資料の収集と作成がもっとも時間を必要とし実施そのものも困難なので初年度からの実施が望ましいと判断した.したがって進め方に関しては変更したが、目的にむけて概ね順調に進展できていると判断する.

Strategy for Future Research Activity

来年度は今年度同様、(1)一次資料収集を含む日本語(含む方言)調査、(2)一次資料を主とするコエ語調査を実施し、その後の類型論的観点にたった両者の対照研究に備える。今年度の準備的調査によってコピュラ(とされる要素)と情報構造が深く関連する言語が少なからず存在することがわかったので、通言語的な比較対照が可能かどうか、他言語(Iku語・Hausa語など)の記述論考をもとに対照のための項目一覧を作成し、まずそれを日本語およびコエ語で検証する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

今年度の言語調査の実施を当初予定したいた日本国内の方言調査から(来年度以降に予定していた)海外南部アフリカでのグイ語・ツェラ語調査に変更したため旅費として使用した費用が増加した。方言の第一次資料の整理のために人件費を計上していたが、新規資料の収集はなかったので、発生しなかった.これらの理由のため、7644円の差額が生じた。
次年度使用額の大きな変動はないが、初年度に続き、グイ語およびその他コエ語の資料の拡充のため初年度と同程度の旅費を計上する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 「NPダ」をめぐって2014

    • Author(s)
      大野仁美
    • Journal Title

      言語と文明

      Volume: 12 Pages: 53-59

URL: 

Published: 2015-05-28  

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