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2015 Fiscal Year Research-status Report

ブータン王国の国民総マルティリンガル化言語教育政策の福祉言語学的研究

Research Project

Project/Area Number 25580120
Research InstitutionTokyo Metropolitan University

Principal Investigator

助川 泰彦  首都大学東京, 国際センター, 教授 (70241560)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2017-03-31
Keywordsブータン / 言語政策 / マルティリンガリズム / ゾンカ語 / 英語イマーション
Outline of Annual Research Achievements

平成27年度の研究集会等の実績としては28年3月28日に首都大学東京・国際センターにおいて「ブータンの言語教育・多言語政策と国民総幸福度をめぐって」というシンポジウム形式の研究会を開催し、言語教育を研究する大学院生と教員を中心に30人の参加があり、ゲストとしてブータンから招いたTashi Lhamo氏を中心に活発な質疑応答と意見交換が行われ、今後の研究課題を得ることができた。
27年度は、平成25年度のブータンフィールド調査と国内ブータン人聞取り調査、26年度の国内聞取り調査および文献調査に基づいて、再度のブータンフィールド調査を実施し、前回の西部地域に加えて、非ゾンカ使用地域であるブンタン地域の中心地ジャカル(チャムカル)において農民の家庭に滞在して小学生と中学生の言語使用を参与観察し、保護者と他の家族に当該児童の言語教育に関して聞取りを行った。また、ジャカルの小学校とハイスクールを訪問し、授業観察と教員への聞取り調査を行った。
最終年度においては、ブータンのRoyal Education Councilの上級研究員で元政策研究大学院大学留学生であったTashi Lhamo氏との共同研究が進展し、ブータンの言語教育政策について貴重な資料と証言を得ることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究目的であった1970年代からの国民統合政策(National Integration Policy)について、文献を探し求め続けたものの、アカデミックな文献も公的機関による文献もこれまでのところ見つからず、当時の教育事情を知る高齢の政府関係者からの証言を得られるに留まった。
一方で現代ブータンではかつての多言語使用者育成指向から英語イマーションによる英語教育に言語教育政策が転換していることが分かり、この方面の研究の必要性が高いことから3年目になって英語イマーションについての研究に着手した。このこともあって、3年間では十分にブータンの多言語使用について当初の予定通りの研究成果を得ることができなかった。

Strategy for Future Research Activity

本研究プロジェクトが進行している間にカナダ人研究者によるブータンの現代言語教育政策の研究の嚆矢となる論文(LaPrairie, Mark (2014) A case study of English-medium education in Bhutan. EdD)が上梓され、公開された。この研究が本研究に資することは非常に多く、27年度からこの論文を読み解きながらブータンのRoyal Education BoardのTashi Lhamo上級研究員とブータンの多言語教育政策について様々な視点からの研究テーマについて検討を始めた。特に、ブータン王国の多文化性、ゾンカ語によるブータンの統一的文化継承、英語導入によるグローバルな規模の情報流入という3つの相反するとも言える課題が今後において同国の言語使用実態とどのように連動していくのかについて、聞取り調査と文献調査とGNH(国民総幸福度)調査の結果の分析を踏まえて多角的に考察を進めていきたいと考えている。

Causes of Carryover

ブータン現地調査を実施するに際して、現地の気候が不安定であったために道路事情が悪く東部ブータンを訪れることができなかった。そのため予定していた旅費より下回る金額の支出になった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

残高を利用して日本国内のブータン人留学生に対する聞取り調査を重ね、本研究のテーマにそって資料を収集していくことを計画している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2016

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] ブータンの多言語教育と国民総幸福度2016

    • Author(s)
      助川泰彦
    • Organizer
      ブータンの言語教育・多言語政策と国民総幸福度をめぐって
    • Place of Presentation
      首都大学東京
    • Year and Date
      2016-03-28 – 2016-03-28
  • [Presentation] Education of Bhutan and Gross National Happiness2016

    • Author(s)
      助川泰彦・Tashi Lhamo
    • Organizer
      ブータンの言語教育・多言語政策と国民総幸福度をめぐって
    • Place of Presentation
      首都大学東京
    • Year and Date
      2016-03-28 – 2016-03-28

URL: 

Published: 2017-01-06  

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