2016 Fiscal Year Annual Research Report
A Preliminary Study of the National Integration Policy and Multilingualism of the Kingdom of Bhutan from the View Point of Welfare-Linguistics
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25580120
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
助川 泰彦 首都大学東京, 国際センター, 教授 (70241560)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ブータン / 国民統合政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度においては、ブータン教育委員会職員の協力による公文書記録の調査、ブータン出身留学生に対する聞取り調査、および元日本留学生に対する質問調査を実施してブータンにおけるNATIONAL INTEGRATION POLICYの実践と同国の言語教育政策についての史実を明らかにしようと試みた。また、文献研究によるアプローチも試みた。 NATIONAL INTEGRATION POLICYに関しては1970年初頭生まれの盛年層ブータン人から小学校から中学校にかけて非常に多くの国内移動・寮生活を送ったという証言と、そのような経験がないという証言が得られ、この政策が国を挙げて全面的に行われたという証左を得るには至らなかった。また、他の年代(1960年代、1980年代の生まれ)のブータン人に対するインタビュー調査の分析からも、NATIONAL INTEGRATION POLICYに関する確固たる政策背景を見いだすことができなかった。 また、ブータン政府(Education Board)に勤務する元日本留学生による文献探索の結果、これまでのところNATIONAL INTEGRATION POLICYに関する公的な記録を見いだすことができなかった。 これらの調査結果がNATIONAL INTEGRATION POLICYが存在することを否定するものではないが、当初の見込み通りにその存在を証明するには至らなかった。
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