2015 Fiscal Year Annual Research Report
コミュニケーション活動における気づきと言語習得:fMRIと超小型NIRSの利用
Project/Area Number |
25580121
|
Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
鈴木 渉 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (60549640)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Jeong Hyeonjeong 東北大学, 加齢医学研究所, 研究員 (60549054)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 言語学 / 第二言語習得論 / フィードバック / 気づき / 参加型コミュニケーション / 観察型コミュニケーション / インタラクション / fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,非侵襲的に脳内メカニズムが測定できる機能的磁器共鳴画像法(fMRI)を利用し,コミュニケーション中の気づきのプロセスを分析した。日本人大学生が,英語の母語話者からフィードバックを受け(参加型コミュニケーション)文章を再産出するとき,他者に向けられたフィードバックを聞き(観察型コミュニケーション)文章を再産出する際の脳活動を比較し,気づきに関与する脳内認知メカニズムを検証した。両課題共にフィードバック条件の比較対象条件として,間違いを含む文章を聞き,それをただ繰り返し話す繰り返し条件を設けた。参加型と観察型のコミュニケーション課題を用いることで,自分自身に向けられたフィードバックと他者に向けられたフィードバックにそれぞれ気づくメカニズムの解明が可能になった。主要な結果は以下の2点にまとめられる。第一に、参加型と観察型の両方とも,フィードバックを受けて文章を再産出する際が,比較条件(繰り返し)よりも,発話するまでの時間が長いことがわかった。また,反応時間という行動レベルでは,参加型と観察型の間には有意な差は検出されなかった。第二に、参加型コミュニケーション課題で,自分に向けられたフィードバックを受け,文を修正する際には,補足運動野,左下前頭野,右小脳で優位な活動が検出された。一方,観察型のコミュニケーション課題で,他人に向けられたフィードバックを受け,文を修正する際には,前帯状皮質,下前頭野で優位な活動が見られた。これらの結果から,自分自身に向けられたフィードバックと他者に向けられたフィードバックにそれぞれに関与する気づくメカニズムとその効果が異なることが証明された。
|
Research Products
(4 results)