2014 Fiscal Year Research-status Report
平易な語から成る自然な英語表現の体系的抽出方法の研究と大学生用英作文教材の開発
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25580126
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
滝沢 直宏 立命館大学, 言語教育情報研究科, 教授 (60252285)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | COCA / 基本語彙 / 3語、4語、5語の連鎖 / リレーショナルデータベース |
Outline of Annual Research Achievements |
Corpus of Contemporary American English (COCA)のテキストデータが2014年3月に入手可能になったので、2014年度においては、最も自由度の高い契約形態でそれを入手し、その利用環境を整備した上で、本研究の基礎資料の精緻化に活用した。普及度の高いBritish National Corpus (BNC)はイギリス英語のコーパスで規模は1億語である一方、COCAはアメリカ英語のコーパスで規模は4億5,000万語に及ぶので、両者を活用することでより精度の高い基礎データの構築が可能となった。COCAの入手後、語彙頻度表を作成し、BNCをもとに作成したデータと照合して、両者において共に高頻度に用いられている語を「基本語彙」として認定した。その後、COCAにおいて原則として「基本語彙」からのみ構成される3語、4語、5語の連鎖(3gram, 4gram, 5gram)を機械的に抽出し、その中から英語表現として有益でありながら大学生でもなかなか思い付きそうにない連鎖を手作業も含めて同定した(be born withなどが含まれる)。その上で、これらの連鎖の周辺にどのような語が現れるのかの検討を、西村祐一氏がリレーショナルデータベースを使って作成した極めて高性能の検索システムを活用して同定した。これらの成果を踏まえた英語教育への応用については、英語語法文法学会・第10回英語語法文法セミナー、岩手大学・全学共通教育科目外国語分科会FD活動講演会、「岐阜県英語の教え方研究会」、台灣應用日語學會で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コーパスの入手手続き・利用環境の整備を前年度に引き続き、行ったが、入手したコーパスは巨大な容量をもつため、利用環境の整備自体、そしてそこからの情報抽出に予想以上の時間と手間を要してしまった。また、抽出作業の正確さに関する確認作業にも予想以上の困難さが伴った。(しかし、その過程で、どのようにしたら効率的な処理が可能かについて、それなりの知見を得ることもできたので、最終年度においては、効率良く作業ができるものと考えている。)
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である2015年度は、前年度までの作業から得た知見を基礎にして、抽出方法の分かりやすい解説文書の作成を行う。そして、具体的に有益だと判定されたパターン、およびその分かりやすい例文をセットにし、何らかの形で公開する予定である。例文作成には、Native Speakerに対して指定したパターンを示した上で平易な英文を多数作成してもらう予定である。 また、2015年度は、10月24日に開催される英語語法文法学会(龍谷大学深草学舎)でのシンポジウム「副詞を巡る諸問題:語法文法、辞書記述、談話、文体」を研究代表者の司会の下、行い、研究代表者自身「ly副詞にみる副詞の多様性:語法・文法・パターン」というテーマで発表することが確定している。副詞は、本科研費研究において重要な位置を示す品詞であるので、シンポジウム参加の他の研究者と副詞関連の研究会を3回(広島、名古屋、熊本)ほど行う計画である。そのため国内出張のために旅費支出を計画している。 更に、例文作成などのためアルバイト謝金として3人分を計画している。
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Causes of Carryover |
コーパスからの情報抽出に予想以上の時間と手間を要した。そのため、抽出後に行うべき作業を本格的に行う余裕が十分にとれず、したがって予算に残額が生じてしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
できるだけ早い時期に有意義な連鎖の同定を終え、最終成果を出すことに専心する。また、副詞関連の研究会実施と英語語法文法学会でのシンポジウム発表を行う(国内旅費)。例文の作成のためのNative Speakerへの依頼、データ整理などのために謝金を使う。
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Research Products
(3 results)