2014 Fiscal Year Research-status Report
生み出せ!自立学習者―多読・多聴活動を豊かにするシステム開発の構築
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25580134
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Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
川村 明美 東京国際大学, 東京国際大学言語コミュニケーション学部, 准教授 (30326996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松林 世志子 東京国際大学, 東京国際大学言語コミュニケーション学部, 准教授 (60383163)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 多読・多聴 / ebook / 未知語リスト |
Outline of Annual Research Achievements |
日本人学習者の大学入学以前の英語教育は、単語や文法の知識を増やすことに重点が置かれ、4技能のバランスが配慮されているとは言えない。そこで、多読・多聴教材を利用して意味中心のインプットを増やし、未知語は読みながら辞書を引くのではなく、読み終えた後調べ、アウトプットや流暢さを伸ばす活動に重点をおいて語彙力を増やし、読む楽しさ、聴く楽しさが増すようなデジタル多読・多聴教材を開発することが本研究の目的である。 現在開発中の教材は、The Chronicles of Narnia, The Lion, the Witch and the Wardrobe (1950, 2009)をebookとして読みながら、学習者が自分の未知語をハイライトしていくものである。その際、その未知語が学習者が覚えるべき基本語かどうかが分かれば、学習者の読書意欲も増し、負担も軽くなるであろう。基本語は是非とも覚えるべき語であるし、重要でない語であるならばその場で忘れてもいいのだから。 Nation(2001)によると、語彙は高頻度の2000語程度が書き言葉の80%以上、会話の90%に使われているという。2000語という基準が日本人学習者に適切かどうかは検討の余地があるが、中学で定着させたい基礎的単語が定着されないままになっている学習者もいるので、本研究では、ebookを読みながら、未知語をハイライトし、かつ基本語であることもわかるようなシステムにまで進化させたい。 平成26年度は「My未知語リスト」を作成できるところまでこぎつけられたので、最終年度である平成27年度の目標は基本語リストと音声ファイルをアップし、システムを完成させることである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
その理由として、
・多読教材をebookとしてパソコン上で読め、学習者の未知語リストが検証できるところまできたこと。 ・実際に学習者に使ってもらい、データ分析によりアウトプットと流暢さを伸ばす教材開発の示唆が期待できること。
があげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
The Chronicles of Narnia, The Lion, the Witch and the Wardrobe (1950, 2009)にでてくる単語を頻度順に並べ、基本語リストと比較したり、低頻度であってもNarniaを読むうえで重要語である場合はNarina基本語としてリストアップする、ということも行いたい。また、Narniaの文字データを音声合成ソフトを使って音声化し、ebookシステムに貼り付ける作業をする。 学習者のデータを基に、授業外で行え、アウトプットと流暢さを伸ばすことを目的とした英語多読・多聴教材の開発に取り組みたい。
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Causes of Carryover |
平成26年度は研究協力者への作業依頼ができなかったため、人件費の支出に差異が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究最終年度であるので、平成27年度は、6月を皮切りに、可能な限り多くの学会発表の機会をもち、成果物としてもまとめたい。
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