2015 Fiscal Year Research-status Report
生み出せ!自立学習者―多読・多聴活動を豊かにするシステム開発の構築
Project/Area Number |
25580134
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Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
川村 明美 東京国際大学, 言語コミュニケーション学部, 教授 (30326996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松林 世志子 東京国際大学, 言語コミュニケーション学部, 准教授 (60383163)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 多読・多聴 / ebook / 未知語 / フォニックス / 音韻認識 / 読む速さ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、多読・多聴を通して語彙力を増やし、意味中心のインプットを増やすことで学習者の学習意欲を向上させ、さらにアウトプットや流暢さも促進させて、読む楽しさ、聴く楽しさが増すようなデジタル多読・多聴教材を開発することである。 研究開始年の調査で、学習者は、CDを聞くというような聴覚からのインプットよりも、動画やパワーポイントなどを利用した視覚的な教材を好み、意味の分からない語に関してはそのままにして読み進めるよりも、その場ですぐ辞書等で調べることを好むことが分かった。しかし、この読み方では、単語認知から文の意味理解に時間がかかり、読む楽しさを感じることは程遠い。 そこで、The Chronicles of Narnia, The Lion, the Witch and the Wardrobe (1950, 2009)をebookとして読みながら、学習者が自分の未知語をハイライトし、あとでまとめてWeblioなどのウェッブ辞書で意味を調べ、「My未知語リスト」として保存できるシステムを作った。また、音読は内容理解を高める効果があることがこれまでの多くの研究で明らかになっているが、同様に英語が苦手という学習者の多くは英単語が読めない、読み方を知らない、ということも分かっている。 平成27年度は、このNarniaのebookを使って「Phonicsを明示的に指導することで、読むスピードが上がり、内容理解も高まるのではないか」を研究課題とした。その結果、Phonics指導が必ずしも内容理解度アップにはつながらなかったが、読むスピードは向上したことが分かった。また、学習者からは「発音がわかることでスラスラ読めるようになった」「発音に以前より気を使うようになった」などの好意的なフィードバックを得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
・学習者の「My未知語リスト」中の単語が、学習者が覚えるべき高頻度の基本的単語(JACET2000語~5000語)かどうかをチェックできるシステムが完成していないため。
・ebookシステムの中に音声ファイルもインストールし、多読・多聴作業が同時に行えるようなシステムが完成していないため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、昨年Phonics指導で使った練習問題を多読・音読指導用の練習冊子にまとめ、さらに、学習者の「My未知語リスト」の単語が、学習者が覚えるべき高頻度の基本的単語(JACET2000語~5000語)かどうかをチェックできるようなシステムにまで進化させたい。
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Causes of Carryover |
・多読・多聴システムが最終的な完成に至っていないので。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
・多読用ebook「ごんた」に音声ファイルをインストール。未知語としてハイライトした単語が、高頻度基本語(JACET2000語~5000語)であるかどうかをebook上で認識するシステムの構築。フォニックス練習帳作成。国内外の学会での研究発表。
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