2015 Fiscal Year Annual Research Report
日本人英語学習者(中高生)の英語脳内賦活メカニズム解明縦断・横断研究
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25580143
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
田浦 秀幸 立命館大学, 言語教育情報研究科, 教授 (40313738)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 英語力 / 縦断的発達段階 / 脳賦活 |
Outline of Annual Research Achievements |
中学で英語学習を開始した日本人英語学習者(N=23)からの3年目の縦断データ収集を行った。12名は中1からの3年間、11名は高1からの3年間の3年目データであった。収集したのは、(1)言語流暢性タスクとインタビューデータ(言語データと脳賦活データ)と(2)英語ライティングデータ(言語データのみ)であった。脳賦活データとしては、42チャンネルの島津製作所OMM-3000を用いてブローカ野およびその右脳相当部位からOxy-Hbデータを収集した。分析は脳賦活データと英語力分析データ(語彙力・正確さ・流暢性・英語ライティング力総合力)の両面から現在進行中である。最終被験者からのデータ収集が3月に行われた関係上、全てのデータ下分析は完了したが、本分析を経て考察まで進めることができたのは現在1名分だけである。 1名分のデータを英語力と脳賦活の2点から考察した結果は以下の通りである。外国語としての英語学習を中学1年生で始めた日本人が3年目に大きな英語力の向上をライティング・語彙力で示し、その過程で徐々に右脳の関与が高まり、3年目に左右両脳ともに最大の賦活が観察できた。外国語学習当初は左脳中心に言語処理が行われるが、徐々に右脳の関与も高まり、3年目になると両脳を同じ程度賦活させて産出していることが判明した。 このデータだけでは、自動化に至る一歩手前の状態まで来た(今後はどちらかの脳半球に収束する)のか、外国語は母語と異なり両脳関与が必要であるのかの判断は現時点ではできないが、少なくとも臨界期を過ぎてからの外国語学習でも、習熟度に応じて脳内の質的変化が起こることに間違いはなさそうである。
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Research Products
(11 results)