2014 Fiscal Year Research-status Report
戦争・観光・デザイン――戦前期満洲における「観光デザイン」の歴史的展開
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25580158
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Research Institution | Komazawa University |
Principal Investigator |
高 媛 駒澤大学, グローバル・メディア・スタディーズ学部, 准教授 (20453566)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / 中国 / 観光 / 美術 / 戦争 / 満洲 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に満洲で活躍した主要画家の人物像や業績を中心に、資料調査と研究活動を行った。具体的に、 (1)昨年に引続き、国会図書館や中国北京市、大連市、瀋陽市にある档案館、図書館所蔵の満洲時代の資料を調べ、観光雑誌を中心に発表された主要画家の作品目録作成に取り組んだ。 (2)満洲国時代の文化政策を視野に入れながら、満洲観光の中心人物の渡満経緯と具体的な活動内容について分析を深めた。 (3)満洲時代の観光ポスターやパンフレットや絵葉書といったビジュアルな史料を広く収集・整理し、時代の変遷に伴う画題の違いや観光デザインの変容などについて考察を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度も中国東北地方の図書館や档案館で資料調査を行ったが、前年度と同様、満洲時代の出版物に閲覧制限がかかっていることが多いため、思うように調査することができなかった。したがって、満洲国時代の美術教育や中国人画家の部分に関する研究は進行がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)満洲時代の主要画家の作品目録を完成した上、観光政策と美術展覧会(「満展」)の二つの側面から、満洲文化政策における観光デザインの役割と位置づけについて分析し、研究をまとめる予定である。 (2)満洲だけでなく、植民地期台湾や朝鮮半島、及び同時代の中国上海の観光美術との関連性について、考察を深める予定である。
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Causes of Carryover |
中国の档案館や図書館所蔵の資料に複写不可の貴重なものが多いため、複写や図書購入に使う費用は思ったより少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
中国調査旅行の旅費と、日本国内での資料購入に使用する予定である。
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