2013 Fiscal Year Research-status Report
花祭の発展的継承と地域文化の多様性保全に向けた社会シナリオの創出
Project/Area Number |
25580180
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐々木 重洋 名古屋大学, 文学研究科, 准教授 (00293275)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 社会シナリオ研究 / 花祭 / 奥三河山間地域 / 文化的多様性 / 文化人類学 |
Research Abstract |
平成25年度は研究期間の最初の年度である。本年度は、花祭保存会および地域関係者、研究者、自治体関係者と共同で、花祭に関する従来の研究成果と、花祭りを取り巻く社会背景を批判的に再検討する作業を開始した。また、奥三河地域の森林資源(野生動物も含める)の利用実態に関する資料を収集、整理する作業に着手した。 まず、花祭伝承者、地域住民、行政担当者、NPO関係者などと意見交換を重ね、これまでの花祭研究の成果がどの程度、そしてどのように受容、評価されているのか検討を開始した。これと並行して、近代、とくに高度経済成長期以降の花祭を取り巻く社会環境、研究やマスメディアを通じて花祭に投影されたイメージ、花祭をめぐる行政措置に関する資料の一部を収集した。本年度の後半には、愛知県による「地域円卓会議」のファシリテーター(会議の進行役と取りまとめ助言者をかねる)として、花祭の継承を起点に三河山間部の集落機能維持を考えるという、目的や内容からみて本研究課題にきわめて関連性の高い会合に参与する機会も得られたため、その場で準備された資料や、意見交換の過程で得られた資料も活用できることになった。 一方、花祭の多面的意義を現代の文脈において再解釈するため、花祭と山林の物質的・思想的つながりにあらためて注目し、地域住民の日常的生活基盤との連続性を検討する作業も開始した。奥三河において山林を保有する地域住民に対する聞き取り調査、山林の直接観察をおこない、奥三河地域の森林資源の管理状況および利用状況に関する質的資料を収集した。また、現有の森林資源の有効活用と新たな商機の創出について、所有者の意向、地域における伝統的利用形態などに配慮しつつ、行政上クリアすべき問題点も含めて予備的な聞き取り調査をおこない、資料を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、研究目的の達成のためにまずまず順調な活動ができたと考える。個人の調査研究活動に加えて、研究実績の概要部分にも記したとおり、ファシリテーターとしての「地域円卓会議」への参与という貴重な機会が得られたことは、当初の計画にはなかったものである。これによって、花祭伝承者、地域住民、行政担当者、NPO関係者など多様なアクターと効率よく意見交換や討論ができたため、これによって当初の想定以上の成果を得ることができた。その一方、森林資源の活用に関する調査研究は、当初の計画と比して達成度がさほど高いとはいえない。 以上を総合的に判断したうえで、全体としては、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降も、本年度と同様に調査研究を継続したい。研究計画や研究方法に関しては大きな変更はない。
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Research Products
(5 results)