2015 Fiscal Year Annual Research Report
動的共創型デジタルアーカイブズ構築-梅棹忠夫資料に基づいて
Project/Area Number |
25580188
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
久保 正敏 国立民族学博物館, その他部局, 名誉教授 (20026355)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アーカイブズ / 共創型 / 参加型 / 資料間の相関関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
梅棹忠夫アーカイブズの資料間には強い相関関係がある。フィールドノート、要約メモ、原稿、著作それぞれの間に、素材と製品という関係があるためだ。この相関関係を探り出し、アーカイブズ内にリンクを形成することで、資料間の相関関係を通した梅棹の思想形成の分析や、新たな知見の創出の可能性もある。 本研究は、利用者が自ら関係性リンクを発見して書込み、共同してアーカイブズを形成するモデル構築を目的とする。資料の整理、およびデジタル化を含む基礎データ作成を行ったが、そのため既刊の『梅棹忠夫著作集』別巻収録の論文タイトル索引および総索引を活用した。後者は、著作集作成に関わった研究者たちが、各論文各ページに付与したキーワード(KW)の索引集であり、論文間の関係性把握に有効と考えたからである。 電子組版導入以前に刊行された本著作集にはデジタルデータがなく、本研究で別巻の全内容を手作業にてデジタル文字化し、(a)48,000件余のKWからそれが含まれる論文タイトルと出現ページ、(b)1,500件弱の論文タイトルからそこに含まれるKW総覧、が検索可能なデータベースを構築した。GUIの整備を待ってウェブ公開の予定である。 これを基に次のステップでは、あるKWを共有する論文間に相関関係が存在すると仮定して論文間にリンクを自動作成し、研究者による妥当性検討の段階を経て、研究者自身によるリンク形成機能を持つ共創型アーカイブズの完成を目指す。
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