2015 Fiscal Year Research-status Report
「家族法の場」としての「家庭裁判所」の機能を支える専門家群の養成に関する国際比較
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25590002
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
床谷 文雄 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (00155524)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 社会科学 / 法学 / 基礎法学 / 比較法 / 家庭裁判所 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度末(平成27年3月)に実施した研究代表者・床谷、連携研究者・冷水、研究協力者・稲垣による、ドイツの家庭裁判所および関連機関における現地調査・ヒアリングで得た資料の整理を進めた。ドイツの家庭裁判所、高等裁判所、少年局では、家族法・児童福祉法を運用するための人材をそろえており、家族法専門弁護士もこの分野の専門家として確立した地位を得ている。家族法実務の適切な、かつ、円滑な運用のためには、分野に特化した専門家の養成が重要であることが改めて認識された。現地調査によって得た現地とのコネクションを継続するために、平成27年度において、ドイツの家族法専門弁護士または司法補助官を招聘して、講演会またはシンポジウムを開催することを計画していたが、招聘する専門家の選定に手間取り、年度内に実現することができなかった。 平成26年度に実施した英米法系グループによるニュージーランド現地調査の際に協力を得た、ビクトリア大学(ウェリントン)のビル・アトキン教授を招聘し、大阪大学において、学生向けのレクチャーセミナーと家族法研究者を対象とする専門家セミナーを開催した(平成28年2月)。ニュージーランドにおいて2013年に成立した「家庭裁判所手続改革法」による児童養育法等の運用の改革の持つ課題について問題提起がなされ、参加者との意見交換がなされた。このセミナーでの講演内容等を整理して、家族法・戸籍法専門雑誌に投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ニュージーランドにおける家庭裁判所の改革についての調査・研究は大きく進展した。ビル・アトキン教授の招聘セミナーでは、本科研メンバー以外の専門家・学生にも参加してもらい、ニュージーランドの実情について、日本との比較など意見交換が進んだ。他方、計画していたドイツの専門家の招聘は実現できなかったが、研究交流は継続している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に実現できなかった、ドイツからの専門家の招聘によるセミナーを計画している。先方の事情により実現が難しいときは、これに代わる現地調査を検討する。
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Causes of Carryover |
ドイツからの家庭裁判所実務家の招聘によるセミナーを計画していたが、先方の来日のための日程がとれず、実現できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
家庭裁判所専門実務家の招聘またはこれに代わる現地調査のための費用および科研の研究成果をまとめた報告書を作成するための費用として使用する。
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