2016 Fiscal Year Annual Research Report
A comparative research on the specialists who work for the family law enforcement in the family court
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25590002
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
床谷 文雄 大阪大学, 国際公共政策研究科, 教授 (00155524)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 基礎法 / 比較法 / 家族法 / 家事紛争 / 家庭裁判所 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、前年度までの計画で実施した研究調査のフォローをするとともに、残された計画を実施した。研究代表者床谷は、平成28年6月24日・25日に慶北大学(韓国)で開催された日韓家族法学会に参加し、近時増大する相続事件について、両国の相続法の改正動向及び家庭裁判所の実務の現状について比較研究する機会を得た。同性カップルの一方が死亡した場合の他方への財産の承継の問題など、新しい課題が生じている。 平成29年1月29日に、研究協力者・Subramaniam Mogana Sunthari氏(元マラヤ大学法学部上級講師、弁護士)を招き、「マレーシアにおける家族紛争解決のための司法の現状と課題」について、一般公開の形で研究報告会をもった。 平成29年3月15日から26日まで、研究代表者床谷は、ボンおよびマールブルク(ドイツ)の少年局(児童保護センター)及び家庭裁判所を訪問し、家庭裁判所の実務における裁判官と児童保護専門機関との協働関係の調査を行った。特に、児童虐待への対応としての家庭裁判所の保護、里親・養子縁組の利用についても確認した。これは平成27年3月に実施した調査のフォローアップを行った。 平成25~28年度の研究期間全体を通じて、ドイツ、ニュージーランド、韓国、マレーシアにつき、家庭事件の処理において裁判所の果たす機能、重要な役割を果たす裁判官、司法補助官、家事専門弁護士、児童保護ワーカーら専門家の養成及び相互協働関係について現地調査を基に研究をした。わが国では、家庭裁判所における裁判官と児童保護専門家の協働関係は不十分であり、今後、児童や高齢者の問題など司法に関わる他領域専門家との協働がさらに重要となってくる。それぞれがどういう養成過程を経て、どこに強みがあるか、どこに発想の違いやスキルの差があるかを互いに知ることが、こうした協働関係の展開の基盤となるであろう。
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[Presentation] 縁組による親子2016
Author(s)
床谷文雄
Organizer
日本家族〈社会と法〉学会
Place of Presentation
上智大学(東京都・千代田区)
Year and Date
2016-11-05 – 2016-11-06
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