2013 Fiscal Year Research-status Report
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25590007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
徳本 広孝 首都大学東京, 社会(科)学研究科, 教授 (20308076)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 比較行政法 / 行政法 |
Research Abstract |
論文「比較行政法学に関する一考察」(共編著『現代行政訴訟の到達点と展望』〔日本評論社・2014年2月〕所収)の中で、日本の比較行政法学の傾向およびその意義について検討を行った。同論文では、次のことを指摘した。 ①戦後日本の行政法学は、ドイツ、アメリカ、フランスを主に比較研究の対象としてきたが、現在では欧州、アジア諸国にまで比較対象国が拡大していること、②比較法は、異なる法系間の相違点を客観的に把握する独自の学問的営為であり、日本の解釈論・立法論に貢献すること自体を直接の目的とするわけではないが、比較法研究は日本の解釈論・立法論にとって有益な知見を提供する機能を有すること、③行政法学者が発展途上国への法整備支援に取り組む過程では他の支援諸国とのコミュニケーションが必要となることから、法整備支援がグローバル行政法の生成を促す可能性があること、④EU行政法の制度形成では比較法的手法が一般化しており、諸外国でも比較行政法学に関心が寄せられていること、⑤日本の行政法学が発信型へと展開することが今後期待されることなどを指摘している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では、前述の作業のほかに諸外国における比較行政法学の動向を調査するため、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ドイツまたはオランダ等での訪問調査を実施する予定であった。本動向調査は今年度実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
外国における比較行政法の動向を調査するため諸外国への調査旅行を予定している。諸外国の行政法総論に関する比較研究の動向を把握しながら、個別行政法にも着目して研究の動向を把握したいと考えている。有力な個別法領域として、教育研究行政あるいは文化に関する行政領域が念頭にある。もっとも、調査の結果により、より有益な個別行政法の領域を見いだす可能性もある。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度中に諸外国における比較行政法学の動向を調査するため、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ドイツまたはオランダへの調査旅行を予定していたが、大学運営業務(認証評価対応など)のため準備する時間を確保できなかった。 平成26年度中に海外訪問調査を実施する予定である。
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Research Products
(2 results)