2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25590012
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
森田 章夫 法政大学, 法学部, 教授 (30239652)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際法 / 海洋法 / 軍備管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
武器貿易に関する海洋法上の側面に関しては、既に歴史的な蓄積が存在することが判明した。例えば、1890年「Bruxelles一般議定書」を嚆矢として、1919年「武器・弾薬の国際取引規制サンジェルマン条約」、1925年「武器・弾薬の国際取引規制条約」(後二者は未発効)の先例があった。これらは、沿岸国と直接関連のない公海上での規制までも認めており、アフリカ問題に特化している点や、20世紀の諸条約が未発効である点を割り引いても、これらのとの比較検討を、今後、丹念に行う必要があることが判明した。 他方で、無害通航権との関係では、米国の当初の主張と領海条約における文言・経緯を検討した場合、単純には、無害通航権が強く確保されたとの理解には、一定の留保を必要とすることが判明した。すなわち、領海内の無害通航においては、国連海洋法条約を例に取ると、関連条文は、「第27条 外国船舶内における刑事裁判権 1 沿岸国の刑事裁判権は、次の場合を除くほか、領海を通航している外国船舶内において、その通航中に当該外国船舶内で行われた犯罪に関連していずれかの者を逮捕し又は捜査を行うために行使してはならない。 a.犯罪の結果が当該沿岸国に及ぶ場合 b.犯罪が当該沿岸国の安寧又は領海の秩序を乱す性質のものである場合 c.当該外国船舶の船長又は旗国の外交官若しくは領事官が当該沿岸国の当局に対して援助を要請する場合 d.麻薬又は向精神業の不正取引を防止するために必要である場合」、である。しかし、本条は、国家責任を引き起こす違法行為のshallではなく、shouldを用いており、米国の対応は、それをも踏まえた可能性がある。
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Research Products
(2 results)