2013 Fiscal Year Research-status Report
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25590050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Research Institute of Economy, Trade and Industry |
Principal Investigator |
中田 啓之 独立行政法人経済産業研究所, 研究グループ, 研究員(非常勤) (20645866)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / 多様なbelief / Boom-bustサイクル / 社会厚生 / 空売り規制 |
Research Abstract |
無限期間の標準的なOLGモデルに生産活動を誘導形で間接的に組み込み、Kurz (1994)の意味でのrational beliefのクラスに属する多様なbeliefを許容したモデルを構築した。当初の予定通り、Kurz and Motolese (2001)とNakata (2012)におけるOLGモデルをベースにしたものである。シミュレーションモデルを完成させ、様々なパラメータ設定の下、計算結果を蓄積した。特に重要な成果は、投資の効率性と社会全体の厚生との関係が単調ではなく、したがってGDPと社会全体の厚生との関係も単調ではないことが分かったことである。また、空売り規制がboom-bustサイクルを抑制し、特に多大な損失を被る者が出ないようにすることで、高水準の社会厚生を達成することが分かった。 また、標準的なinfinite horizonモデルに生産活動を誘導形で間接的に組み込んだモデルのシミュレーションモデルの作成に着手した。具体的には、均衡を表現する条件式を線形化し、steady stateの周辺での振動を記述する標準的な手法をrational beliefを許容したモデルに用いる目処が立った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
無限期間の標準的なOLGモデルによる取り組みについては、計算結果の蓄積が進み、予定よりも早い時期に学会発表することができた点。 また、infinite horizonモデルは、技術的にクリアしなければならない要件が多数ある、より複雑なモデルであるため、当初の予定では、モデルの構築に着手するのは、2年目の予定であった。しかし、シミュレーションモデル構築の方針が定まり、前倒しでモデル構築に着手できたことにより、当初の計画以上に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
無限期間の標準的なOLGモデルによる取り組みについては、さらに計算結果を蓄積・整理し、今年度後半以降、積極的にセミナー発表を行うことで論文を完成させる。Infinite horizonモデルによる取り組みについては、シミュレーションモデルを完成させ、計算結果を蓄積させることに注力する方針である。非常に順調に進んだ場合には、年度後半からセミナー発表を始める。なお、当初計画にあった解析的な有限期間モデルについては、基本的にinfinite horizonモデルに劣後するため、注力しない方針である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
パソコンを購入予定であったが、既存のものを活用することにしたことで、物品費が不要になった。しかし、円安の影響もあり、旅費、特に海外での宿泊費が当初計画よりも膨らみ、物品費の減少分をほぼ相殺する形になった。 旅費として使用する計画。
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