2014 Fiscal Year Research-status Report
水産資源の枯渇と再生:経験が生み出すローカルコミュニティの戦略分析
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25590063
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
東田 啓作 関西学院大学, 経済学部, 教授 (10302308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 健太 武蔵大学, 経済学部, 講師 (30633474)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 資源枯渇 / 経験 / 水産資源管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、計画に沿って以下の選好と経験に関する以下のフィールド実験(本実験)を実施した。 1)2014 年 5 月 11 日~17 日 フィリピン第 1 回調査、調査場所:パラワン島プエルトプリンセサ市周辺漁村、実験実施回数:4 セッション、被験者数:62 名。 2)2014 年 8 月 17 日~23 日 フィリピン第 2 回調査、調査場所:ミンダナオ島ジェネラルサントス市(周辺漁村の漁師を対象)、セッション数:4セッション、被験者数:64名。 3)2014 年 8 月 23 日~9 月 4 日 インドネシア第 1 回調査、調査場所:カリマンタン島クブラヤ地区およびジャワ島チルボン市周辺、セッション数:5セッション、被験者数:76名。 4)2014 年 10 月 30 日~11 月 5 日 インドネシア第 2 回調査、調査場所:スラウェシ島マカッサル市、セッション数:3セッション、被験者数:48名。 経済実験についてはプレ実験の時と同じであり、また同時に実施するアンケートについては改訂を行った。特に本研究課題にとって重要な項目である、自然災害に関する経験、資源枯渇に関する経験、他の漁業者とのトラブルの経験など、経験の認識についてその種類別にアンケートを行った。そのうえで、集めたデータをもとに、社会協力選好に影響を与える「経験」の種類の分析を行った。これまでの分析では、資源枯渇の経験の種類によって、例えばそれが人為的な資源枯渇なのか、自然災害による資源枯渇なのかによって、社会協力選好が受ける影響が異なることが明らかとなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたフィールド実験は、すべて平成26年度中に完了することができている。また、データベースの作成も完了している。さらに、一部のデータについては分析も進んでおり、最終年度に実施する分析や学会報告などに向けての準備は整っている。このため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、これまでフィールド実験によって得られたデータを基に、経験の認識と選好、行動の関係を詳細に分析していく。すでに、分析手法(計量手法)について明らかとなっているため、コンスタントに時間をかけて関係の抽出を行っていく。 多くの相関が存在すると考えられるため、一つずつ結果が得られ次第、学会やセミナーで報告を行っていく。
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