2014 Fiscal Year Research-status Report
行政経営のための経営情報及び教育・学習システムの構築-上水道事業を対象として-
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25590081
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
坂本 泰祥 高知工科大学, 経営学部, 准教授 (30225825)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園 弘子 高知工科大学, 経営学部, 准教授 (70320091)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 行政経営 / 原価計算 / 意思決定支援システム |
Outline of Annual Research Achievements |
香美市上水道事業を対象として聞き取り調査及びデータ整理を行い,PC上にその事業モデルを構築できた.その結果,当該事業を構成しており日々実際に行われている任意の活動に関して原価を自在に計算可能となった. しかも,ただ単に原価を計算するだけではなく,事業全体で見た時になぜ原価が高くなっているかその問題となる活動の分析・特定もユーザインターフェイスを工夫しユーザとシステムを協調させることで可能となっている.さらに,その問題となる活動の原価がなぜ高くなっているその原因も費用的に分析可能となっている.分析後は,定量的な検討には止まってはいるがその改善案の検討も可能となっている.つまり,本研究の目的である行政経営の実現に向けて真に必要となる原価計算→業務分析→改善案提言の一連の流れをシステムとして実現できている. しかし,以上は,あくまでも研究室レベルに過ぎない.そこで,実際に当該事業の課長及び担当者にシステムを実行してレビューをして頂いた.その結果,両者より非常に高評価を頂いた.特に,当該事業は今後赤字事業である簡易水道事業との統合を控えている状況にある.そのため,今後はその統合に本システムを積極的に活用していくこととなった.つまり,事業として構造的に改善が期待できない簡易水道事業との統合であるため,上水道事業を積極的に改善していくことが事業経営の要となる.そのため,本システムを統合に向け機能を充実・拡張させることを目指して相互に協力していくこととなった.この統合は,香美市だけではなく他の自冶体でも行われていることからも今後その傾向が強くなることが予測される.よって,本研究の成果のインパクトは大きなものになることが期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は事例に入っていき実務を踏まえて行うことに価値がある.そのため,自冶体の協力が進捗に大きな影響を及ぼす.その点で考えると,当初予定していた既に研究実績がある自冶体の協力が本研究では得られなくなったことで初年度出遅れてしまった.この点がまずは遅れの大きな原因となってしまった.しかし,2年目となる本年度はその遅れを取り返すべく本事例の自冶体も多忙な中非常に協力をして頂いた.それに伴い我々も注力をして上述のような成果を上げるまでに漕ぎ着けることができた. 以上より,当初の計画からは1年程度遅れていると考えられ得る.
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Strategy for Future Research Activity |
上述の様な遅れを取り返すために,研究を担当する学生を2人体制に増強する.また,研究を進める上で必要不可欠となる自冶体の協力を上述の様に引き続き得られることが確定している.よって,研究を推進する体制は整っていると考えられる.そこで,今後は研究の1年延長も視野に入れている.
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Causes of Carryover |
上述のように,予定していた自冶体の協力が得られず初年度より研究が遅れた.そのため,計画していたPCの購入や成果の学会発表旅費等が実施されなかったためである.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上述の様に,初年度の遅れを26年度ある程度挽回でき,学会発表できるほどに成果もあげることができた.そのことにより,システム開発の次フェーズに移ることが可能となった.また,自冶体の協力も引き続き得られることが確定している.よって,当初の計画に沿って使用できると考えている.
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