2013 Fiscal Year Research-status Report
感覚的表現を通じた価値観共有構造の解明とモデル開発
Project/Area Number |
25590083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Edogawa University |
Principal Investigator |
中口 哲治 江戸川大学, 社会学部, 教授 (50592705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茅野 廣行 江戸川大学, 社会学部, 教授 (90327239)
安田 英土 江戸川大学, 社会学部, 教授 (40327242)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 潜在認知 / 暗黙値 / 認知心理学 / 共感連鎖 / 前意識 / 感覚系イベント / LINE |
Research Abstract |
価値観共有概念の定義化に向けて国内外の先行研究文献を調査。種々の論文・書籍により感覚系ビジネスの対象となるF1層女性たちの共感連鎖の解明は心脳体・社会との関わりの中で構築すべき課題であり認知神経科学、認知脳科学、知覚心理学、認知心理学、経営学といった学際的フィールドでのアプローチが望まれるようである。因みに潜在認知の抽出調査手法としてはメタファーを活用したZMET調査、ブランドに対する選好態度の解明を狙いとしたIAT研究、商品選好時における「視線の偏り」を主眼においた実験心理学的アプローチなどが挙げられる。 文献調査の後、共同研究者や業界関係者との意見交換会を実施。本研究の主題である価値観共有プロセスに関し以下の様な粗仮説を策定した。「潜在認知は経験・画像映像の断片記憶として無意識と意識の間=前意識に暗黙知的な文脈で存在しているものと思われる。これらは友人との会話や感覚イベントにおける刺激(視覚、聴覚、嗅覚、触覚など)によって再結合・再編集され前意識から意識に励起され感動と共感を誘発する。このような状況感情は言語に変換されSNS等の通信媒体を通じ他の友人たちにも伝搬、共感の連鎖が広がるといった価値観共有化のプロセスが想定される」。 策定した粗仮説を検証すべく読者モデル事務所・有限会社XIの協力のもと読者モデル、業界インフルエンサー31名に「感覚系イベント(ガールズコレクション)来場者意識調査」を実施。特にイベントの前日当日翌日で友人たちと、どのような連絡を取り共感意識を形成させているのかが重要と考え調査票に反映させた。現在、データを集計分析しているが、共感意識の伝達手段として全員がインスタントメッセンジャーLINEを使用していることが判明。今後のリサーチツールとして有効性が高いことを確信した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
価値観共有化プロセスには心脳的かつ無意識、前意識部分が大きくかかわっているためSD法を主体とした心理アンケートでは潜在認知の収集が困難であると判断。そのため当初予定していた江戸川ガールズコレクション会場での大規模意識調査を一旦見送ることにした。今後、潜在認知の抽出法に対して有効な手段が見つかり次第、アンケート調査または実験調査を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に行った読者モデル・インフルエンサーアンケートの分析を早急に行う事を第一義とする。それらの結果を受け、感覚系ビジネス及び感覚系イベントにおける価値観共有化プロセス解明に向け効率的かつ確実性の高い潜在認知抽出手法を模索していく予定である。今後のアプローチ手段としては以下の3つを想定している。 1)ガールズコレクション開催時に対象者たちが発信するLINE言語、ツイート言語、ブログキーワードを収集し言語間及び価値意識共有に関する関連性を分析する。 2)記憶の記銘と共有化に影響を与える要素の抽出に向けた選好選択シンクロニシティ実験の実施。実験手法に関しては研究チームで検討。 3)前回行った読者モデル・インフルエンサーアンケートの調査票を改良。潜在認知の抽出に繋がるような設問設定や個別インタビューなどを通じ精度アップに向けた再調査を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度で予定していた下記2項目の経費に増減が発生した。 1)江戸川ガールズコレクション来場者対象にして行うアンケート調査を延期したため関連経費350,0000円が未使用。 2)上記に伴い、研究代表者専用のデータ解析用パソコン購入を見送り200,000円の経費が未使用のままになっている。 平成26年度積み残し分として1)江戸川ガールズコレクション来場者対象にして行うアンケート調査関連費用350,000円。2)研究代表者専用のデータ解析用パソコン購費200,000円。平成26年度の直接経費充当分として1)研究連絡会実施経費100,000円2)記憶の記銘と共有化に影響を与える要素の抽出に向けた選好選択シンクロニシティ実験関連費用300,000円。3)前回行った読者モデル・インフルエンサーアンケート再調査実施費用300,000円。 以上、平成26年度積み残し分と成26年度の直接経費充当分として合計1,250,000円を計画している。
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